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- 米ISM指数~製造業が2006年4月以来の高水準に、非製造業も50台を回復
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■見出し
・製造業・非製造業とも上昇する中、製造業指数は、55.9と5ヵ月連続で50を上回る
・製造業各指数では、受注指数の改善が顕著な半面、在庫指数は低水準持続:各指数別内訳の動向
・非製造業各指数では、事業活動指数の上昇が目立つ
■introduction
企業のセンチメントを示すISM(米供給管理協会)指数は、12月製造業指数(PMI)が55.9となり、11月(53.6)や市場予想値(54.3)を上回り、2006年4月(56.0)以来の高水準となった。12月指数内訳では、新規受注と生産指数の上昇が目立ち、いずれも60台となっているが、これらの指数上昇は、これまでの過剰な在庫減が、受注や生産に繋がったものと見られている。なお、PMIは、2008年12月に32.9と1980年6月(30.3)以来28年ぶりの低水準を記録したが、その後、昨年8月には製造業の拡大・縮小の分かれ目となる50台を回復しており、今回で50越えは5ヵ月連続となる。発表元のISMでは、過去のデータから見たPMIが示す経済全体の分かれ目(GDPのゼロ成長)は41.2であり、12月PMIは実質GDP年率4.6%に該当するとしている。
一方、12月の非製造業指数(NMI:注)は50.1と11月(48.7)から上昇、市場予想(50.5)を若干下回ったが、2ヵ月ぶりに非製造業業況の分かれ目となる50を上回った。NMIは2008年9月の金融危機後に37.4(11月)まで急低下後、昨年9月には50.9と1年ぶりに50台を回復したが、11月は再び50台を割り込んでいた。
ISM両指数(PMIとNMI)の推移を比較すると、2008年9月金融危機以降の落ち込みはPMIの方が大きかったものの、昨年7月以降は6ヵ月連続でPMIが上回るなど、製造業の改善が先行した形となっている。それぞれの構成指数で両者の差が大きいのは、新規受注指数(製造業65.5、非製造業52.1)であるが、雇用指数が、製造業で50台を回復する中、非製造業では44.0に留まるなど、全体を押し下げている点も大きい。こうした非製造業の回復の遅れは、個人消費の抑制や住宅バブル崩壊、金融危機等の影響が、サービス業や金融、不動産・建設等を含む非製造業に重石となっていることを窺わせる。
(注:NMI(=Non-Manufacturing Index) は、2008年1月より非製造業指数の総合指数として発表開始。事業活動、新規受注、雇用、入荷遅延の各指数の均等ウェイトで構成される。)
(2010年01月07日「経済・金融フラッシュ」)
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