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- 米11月ISM指数は、非製造業が48.7と3ヵ月ぶりに50を下回る
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■見出し
・製造業・非製造業とも低下する中、製造業指数(53.6)は4ヵ月連続で50を上回る
・製造業各指数では、在庫・価格指数の低下が顕著:指数別の動向
・非製造業各指数では、事業活動指数の下げ幅が最大
■introduction
企業のセンチメントを示すISM(米供給管理協会)指数は、11月製造業指数(PMI)が53.6となった。市場予想値(55.0)には届かず、2006年4月(56.0)以来約3年半ぶりの高水準となった10月水準(55.7)を▲2.1%ポイント下回った。同指数は、昨年12月に32.9と1980年6月(30.3)以来28年ぶりの低水準を記録したが、その後、8月には製造業の拡大・縮小の分かれ目となる50台を回復、50越えは4ヵ月連続となった。発表元のISMでは、過去のデータから見たPMIが示す経済全体の分かれ目(GDPのゼロ成長)は41.2であり、11月PMIは実質GDP年率3.9%に該当するとしている。
一方、11月の非製造業指数(NMI:注)は48.7と前月(50.6)から低下、市場予想(51.5)を下回り、3ヵ月ぶりに非製造業の業況の分かれ目となる50を下回った。NMIは昨年9月金融危機後に37.4(11月)まで急低下、その後持ち直し、本年9月には50.9と昨年5月(51.2)以来の水準を回復、10月も50.6とほぼ横ばいに推移したが、再び50台を割り込んだ。
ISM両指数の推移を比較すると、昨年9月金融危機以降の落ち込みは製造業の方が大きかったものの、本年7月以降は、5ヵ月連続で製造業指数が上回るなど、製造業の改善が先行した形となっている。特に、それぞれの主要な構成指数である雇用指数では、製造業が50台を回復する中、非製造業では41.6に留まるなど非製造業の立ち直りの遅れを示している。また、こうした非製造業指数回復の遅行は、個人消費の停滞や住宅バブル崩壊、金融危機等の影響が、サービス業や不動産・建設等を含む非製造業に、依然、重石となっていることを窺わせる。
(注:NMI(=Non-Manufacturing Index) は、2008年1月より非製造業指数の総合指数として発表開始。事業活動、新規受注、雇用、入荷遅延の各指数の均等ウェイトで構成される。)
(2009年12月04日「経済・金融フラッシュ」)
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