2009年10月05日

米9月雇用減少幅が拡大、失業率も9.8%に悪化

土肥原 晋

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■見出し

・9月の前月比雇用者数は予想を上回る26.3万人減~失業率は26年ぶりの9.8%に
・広義の失業率は17.0%に拡大~9月賃金上昇率は前年比2.5%に低下

■introduction

米労働省発表の9月雇用統計では、非農業事業部門の雇用者が前月比▲26.3万人と、前月(▲20.1万人)から減少幅を拡大、市場予想(▲17.5万人)の減少幅を上回った。過去2ヵ月に遡っての改定でも、7月前月比が▲27.6万人→▲30.4万人へ、8月分が▲21.6万人→▲20.1万人へと差引き▲1.3万人の下方修正となった。雇用者減少数は、1月に▲74.1万人と1949年10月(▲83.4万人)以来の記録をつけたが、その後は6月を除き減少幅が縮小していた。また、昨年9月金融危機以降の月平均雇用者減は▲50.9万人で累計では▲611万人、今回リセッション入り後、昨年1月以降の雇用減は▲721万人に達した(図表1)。
9月の部門別の雇用減少幅を見ると、サービス部門が前月比▲14.7万人と前月(▲6.9万人)から倍に拡大、建設業でも同▲6.4万人と前月(▲6.0万人)から拡大したが、製造業では同▲5.1万人と前月(▲6.6万人)から縮小した。なお、サービスに含まれる政府部門が同▲5.3万人と減少が大きく、9月減少幅拡大の大きな要因となった。
製造業の雇用について、さらに業種別に見ると、金属加工が同▲0.99万人、機械が同▲0.89万人と他業種に比べて減少が大きく、自動車も同▲0.35万人と連月の減少を見せるなど、ほとんどの業種で減少が続いた。
サービス部門でも、小売業の同▲3.85万人を始め、大部分の業種で減少、増加をみせたのはヘルスケア同1.92万人など一部の業種に限られた(末尾:図表3参照)。
一方、9月の失業率は9.8%と前月(9.7%)から上昇、市場予想と一致した。先月までの失業率を振り返ると、金融危機時(昨年9月)は6.2%だったが、その後の1年間で3.6%ポイントの急上昇となり、9月は1983年6月(10.1%)以来、26年ぶりの高水準となった。当面、雇用減が持続すると見られ、失業率も上昇傾向が続き、二桁に達するのは時間の問題と見られる。

(2009年10月05日「経済・金融フラッシュ」)

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