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■見出し
1. 住宅・土地統計調査の意義
2. 住宅・土地統計調査(速報)にみる住宅と居住状況の変化
3. 住宅・土地統計調査への期待と要望
■introduction
本年7月28日に、平成20年住宅・土地統計調査(以下、本調査という)の速報集計結果が公表された。本調査は、5年ごとに実施される、日本の住宅や世帯の居住状況を把握するための、最も基礎的かつ重要な統計である。
われわれは、今回の調査結果は、これまで以上に重要と考え、その公表を待ち望んでいた。というのも、前回の調査が実施された2003年以降の5年間に、住宅系不動産の証券化が大きく進展した結果、特に賃貸住宅の需給に大きな変化が生じたと考えられるにもかかわらず、これまで、それを確認するための統計資料が存在しなかったためである。
証券化不動産の累計資産額は、2002年度末の8兆7000億円から、2007年度末には42兆円へと4.8倍に拡大した。J-REITの住宅系不動産に限定すると、前回調査時(2003年9月)から、今回調査時(2008年9月)までの間に、物件数は9件から1,017件へ、テナント数は216から34,494へ、開示評価額は176億円から1兆5,828億円へと急拡大している。もちろん、J-REIT以外にも、不動産会社や私募ファンドにより、数多くの賃貸マンションが供給されてきた。
住宅系不動産の証券化の進展は、特に都市部において、(1)賃貸住宅(マンション)の供給増加、(2)多様な賃貸住宅の供給増加(特に面積の広い賃貸マンションの供給増加など)という変化をもたらしたと考えられる。これに伴い、居住形態2の選択肢が広がり、都市部では賃貸マンションに居住する世帯が増加したのではないかと考えられる。
その一方、ここ数年、ファンドブームを背景に、賃貸マンションの開発が進み、新規供給戸数が需要の増加を大きく上回った都市もあると言われている。しかし、前回調査以降、統計の不足により、賃貸住宅の空室率の動向さえ把握することができなかった。
本調査の速報集計結果の概要は、総務省のホームページでも公表されているので、以下では、過去5年間(2003年(平成15年)~2008年(平成20年))の、住宅および居住状況の変化に関するポイントを取り上げた後、調査の課題を整理する。
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竹内 一雅
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