2009年07月17日

米経済動向~雇用減拡大で景況感暗転も、経済安定化の進展は持続

土肥原 晋

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<米国経済の動向>
  • 6月雇用統計で5ヵ月ぶりに減少幅の悪化が示されると、景気回復への警戒が再燃し、景況感が暗転、景気への楽観論に水を差す形となった。しかし、四半期ごとの雇用者減では、減少幅が縮小の動きを維持しており、また、他の経済指標に見られる下げ渋りの動きもあって、経済の安定化の動きは持続している。
  • もっとも、これまでの雇用減少の動きや、住宅価格や株価などの資産価格下落の影響を受ける家計では、バランスシート調整がしばらく持続するため、個人消費の回復力は弱く、景気の回復は緩慢なものとなろう。
  • 経済安定化の動きを受けて、FRBの経済見通しでは若干の上方修正が行われたものの、経済が依然、脆弱さを抱えているとの判断から、異例とも言える金融緩和策は据え置かれた。ただし、大型景気対策や包括的金融政策等で財政赤字が急速に膨張、一時的ながら長期金利や原油価格が急速な上昇を見せた。今後の金融政策の舵取りは、出口戦略も踏まえ、より難しい局面を迎えることとなろう。
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(2009年07月17日「Weekly エコノミスト・レター」)

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