2009年05月01日

雇用統計09年3月~年度末にかけて失業率が急上昇

経済研究部 経済調査部長 斎藤 太郎

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■見出し

・年度末にかけて失業率が急上昇
・有効求人倍率は約7年ぶりの低水準に

■introduction

総務省が5月1日に公表した労働力調査によると、3月の完全失業率は前月から0.4ポイント上昇し4.8%となった(ロイター事前予想:4.6%、当社予想は4.5%)。失業率はこの2ヵ月で0.7ポイントの急上昇となった。昨年秋以降の景気の急速な悪化がやや遅れる形で年度末にかけて顕在化したものと言えるだろう。
自営業主・家族従業者数の大幅減少が続く中、それまで横ばい圏で推移していた雇用者数が前年比▲0.9%(2月:同0.0%)と大きく落ち込んだため、就業者数は前年比▲1.4%(2月:同▲0.4%)と減少幅が拡大した。失業者数は335万人、前年に比べ67万人の増加となり、2月の33万人増から増加幅が大きく拡大した。
失業者の内訳を求職理由別に見ると、非自発的な離職による者が前年に比べ52万人増(うち勤め都合が50万人増)、自己都合が8万人増となっており、失業者が急増するとともに、失業の中身も深刻化している。
雇用者数の内訳を産業別に見ると、生産活動の急速な落ち込みを反映し、製造業が前年に比べ▲28万人の減少(2月:同▲13万人減)となったほか、卸・小売業の減少幅が急拡大した(2月:前年比▲3万人減→3月:同▲22万人減)。また、派遣社員が含まれる職業紹介・労働者派遣業の雇用者数は98万人、前年に比べ▲18万人の減少となった(2月は:同▲7万人減)。
従業員規模別には、500人以上の大企業以外は全て前年に比べ減少した。500人以上についても、このところ増加幅は縮小傾向にある。

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斎藤 太郎 (さいとう たろう)

研究・専門分野
日本経済、雇用

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