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- 景気底入れの兆しをどう見るか
2009年04月24日
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- 昨年秋以降、景気は急速な悪化を続けてきたが、ここにきて景気底入れを示唆する経済指標も散見されるようになっている。
- 景気下げ止まりを示唆するものとしては、「景気ウォッチャー調査」、「消費動向調査」、「日銀短観」、「鉱工業生産」、「貿易統計」などが挙げられる。
- いずれの指標も、昨年秋以降の急速な落ち込みに歯止めがかかりつつあることを示すものとはなっているが、景気が底入れしたと判断するには材料不足である。
- たとえば、大企業・製造業の業況判断DI(日銀短観)の先行きは約3年ぶりに改善に転じたが、現時点の企業の収益計画は楽観的すぎる可能性が高いため、収益計画の下方修正とともに、今後景況感も下振れする恐れがある。また、在庫調整の進展、企業の生産計画を表す予測指数の上昇は、生産の先行きを見る上で明るい材料だが、在庫の減少が即座に生産の増加につながるわけではないこと、生産計画の下方修正の動きが止まっていないことから、生産が上向くまでには時間を要する可能性がある。
- 景気はリーマン・ショックに端を発する昨年秋以降の最悪期を脱し、底固めの段階に入ったと言えよう。
- なお、現時点では1-3月期の実質GDPは前期比▲4.1%(年率▲15.3%)と過去最悪のマイナス成長になると予測している(最終的な予測値は5/1に公表予定)。
(2009年04月24日「Weekly エコノミスト・レター」)
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03-3512-1836
経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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