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- 米12月雇用統計は52.4万人減、失業率は7.2%に急上昇
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■見出し
・雇用者減少数は連月の50万人台、2008年の年間では戦後最大の記録的な減少
・12月賃金上昇率は前年比3.7%
・急速な雇用悪化がさらに消費を抑制
■introduction
米労働省発表の12月雇用統計では、非農業事業部門の雇用者が前月比▲52.4万人と、市場予想の52.5万人減とほぼ同値となった。ただし、過去2ヵ月に遡っての改定は、10月分が▲32.0万人→▲42.3万人へ、11月分が▲53.3万人→▲58.4万人へと合計▲15.4万人の大幅な下方修正となった。これにより2008年初からの月平均雇用者減は▲21.6万人、累計では▲259万人となり、そのうち、9月以降の月平均雇用者減は▲48.4万人、累計では▲193万人と9月金融危機以降の雇用減少幅が急増している状況が窺われる。また、年間で雇用が減少したのは、2002年以来6年ぶり、減少数では、終戦時1945年(▲275万人)以来、戦後最大の減少数となる(図表1)。
部門別の動きでは、サービス部門が前月比▲27.3万人と11月(▲40.2万人)ほどではないものの、4ヵ月連続で20万人を超える減少幅を見せた。最近4ヵ月を除くと、サービス業の減少幅が20万人を超えることは極めて珍しく、1983年8月(▲41.2万人)以来25年ぶりのこととなる。
また、製造業は前月比▲14.9万人と30ヵ月連続の減少、減少幅では2001年8月(▲15.3万人)以来7年ぶりの大きさとなる。建設業でも同▲10.1万人と18ヵ月連続の減少が続いた。サービス部門の減少も7ヵ月連続となっており、景気後退が産業全般に及んでいる状況を反映している。
製造業の雇用を業種別に見ると、金属加工が同▲2.8万人、自動車が同▲2.1万人と減少が大きかった。民間サービス業では、人材派遣(Employment services)の減少(同▲8.1万人)が大きく、小売業(同▲6.7万人)、卸売業(同▲3.0万人)、運輸・倉庫(同▲2.4万人)、レジャー関連(同▲2.2万人)等の減少も目立った。なお、増加したのはヘルスケア(同3.2万人増)など一部の業種に限られた (末尾図表4参照)。
一方、12月の失業率は7.2%と前月(6.8%)、市場予想(7.0%)を上回り、一段の上昇を見せた。失業率は、1年前(4.9%)との比較では2.3%ポイントの急上昇であり、また、現在の水準は1993年1月(7.3%)以来ほぼ16年ぶりの高水準となる。
(2009年01月13日「経済・金融フラッシュ」)
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