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- 国際比較で見る家計の貯蓄率と資金フローの動向-世界的な住宅ブーム終焉で基調は再び変わるのか?
- 国民経済計算ベースの家計貯蓄率とOECDの住宅価格統計が利用可能なOECD18カ国のうち、日本、韓国、ドイツ、スイスを除く14カ国においては、90年代後半から2006、2007年まで住宅ブームが続き、可処分所得に対する固定資本形成の割合は大幅に上昇した。この間、実質住宅価格の上昇に並行して家計貯蓄率が低下する関係がほぼ全期間続いた米国・英国だけでなく、高齢化の進行と実質住宅価格上昇が両方生じたカナダ、イタリア、オランダ、スペイン、オーストラリア、ニュージーランドでも貯蓄率の低下傾向が見られる。
- 貯蓄と投資の両面から資金不足の拡大(資金余剰の縮小)の力が働いた上記8カ国のほか、急速な高齢化による貯蓄率低下が起きた日本・韓国、住宅投資が顕著に増加したアイルランドと、フィンランドを加えた12カ国において、家計の資金収支は赤字拡大(黒字縮小)の基調が続いた。しかし、住宅ブームを経験したすべての国において、現在の実質価格はすでに下落へと転じ、実質住宅投資もピークアウトしている。貯蓄率が反転上昇するまでにはまだ時間を要するが、消費の増勢が鈍化した国が増えるなど、家計の資金収支を改善させる力は働き始めている。

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石川 達哉
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