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- 米4月FOMCでは、0.25%の利下げを決定
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■見出し
・景気下ぶれリスクの緩和を示唆し、0.25%の小幅利下げへ:利下げの概要と経緯
・FOMC声明文のポイント~反対2委員は金利据え置きを主張:声明文の内容
・利下げ打止めは明示されないものの、有事対応の緊急利下げは収束の方向:今回利下げの注目点
■introduction
4/29・30日開催のFOMC(米連銀:連邦公開市場委員会)では、FF目標金利を0.25%引下げ2.0%とすることを決定した。FF目標金利は、1月(2回)、3月といずれも大幅利下げが行なわれたが、今回は0.25%と昨年12月以来の小幅利下げに留まった。また、9/18日以降の昨年実施の3回を合わせると計7回、累計では3.25%の引き下げとなる (図表1)。
FOMC直後に発表された声明文(次章参照)では、経済活動が弱く、家計と企業の支出が抑制され、雇用の減少と金融市場の緊張、信用収縮の動き、住宅市場の不振等を指摘し、今回の決定は、市場の流動性確保、成長促進、経済活動のリスク軽減等のためにこれまでに取られた一連の施策と一体のものであると説明している。
ただし、3月FOMCの直前にはベア・スターンズの破綻回避措置が取られ、1月の2回の利下げ(うち一回は緊急FOMC)が、シティバンクやメリルリンチ等がサブプライム関連の巨額の損失を計上、NY市場のみならず世界的な株価下落が進む中で決定された状況と比較すると、今回は、これまでほど金融政策の緊迫度や緊急性が差し迫ったものではなかった。また、米景気がリセッション入りの可能性を残しながらも、「景気の下ぶれリスク」がやや薄れたことを示唆しており、その分、利下げ幅も小幅に留まったと言えよう。
なお、FOMCに先立ち4/16に公表されたベージュブックでは、「米経済は前回のレポート時より弱まっている」として景気認識を一段下方修正しており、実体経済の弱さを指摘していたことから、大方の予想通りの利下げと言えよう。ベージュブックは、地域別では9地区での経済活動の減速を指摘し、ボストン等の3地区が強弱混在(横ばい)としたほか、銀行業務については「個人部門での停滞が広がった」とする一方、インフレに関しては、「全ての地区で仕入れ・販売価格の上昇が続き、特に食品、エネルギー、原材料等での価格上昇が高まったが、仕入れコストほど販売価格が上昇せず、企業のマージンは縮小している。賃金は全ての地区で横ばい、ないし微上昇に留まった。」としていた。
(2008年05月02日「経済・金融フラッシュ」)
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土肥原 晋
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