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- シフト・シェア分析からみた地域経済動向
2008年04月15日
- 地域の経済格差の要因を、シフト・シェア分析によって検討した。シフト・シェア分析は、地域の経済成長を、産業構造によって説明できる部分(産業構造要因)と説明できない部分(地域特殊要因)に分ける手法である。分析は、県民経済計算年報を用いて、1996年度から2005年度にかけての9年間の変化を対象にした。
- 「産業構造要因」は、全国レベルの特定産業の変動率と全産業の変動率の乖離による、生産量の変化を計算するものである。各産業の影響を見ると、建設業の伸びは全産業に比べ大幅に低く、公共事業の削減が大きな影響を与えている。また、鉱業、農林水産業、卸・小売業の低下も大きい。一方、サービス、電気・ガス・水道、運輸・通信業、対家計民間非営利サービス(非営利サービス)の伸びが大きい。
- 各産業の産業構造要因による影響を集計し、地域別の産業構造要因を算出したところ、その影響は総じてそれほど大きくはないことが明らかとなった。北海道と東北でマイナスの影響、関東でプラスの影響がやや大きい程度である。ただし、都市圏ではプラスの影響があるのに対し、地方圏ではマイナスの影響があるという傾向が確認された。
- 産業構造要因では説明されない、「地域特殊要因」は地域の成長率の格差にかなり大きな影響を与えている。プラスの効果については、東海と関東が大きい。東海がプラスとなったのは、2000~2005年度の伸びが大きく、景気回復期に地域固有の大きな成長があったことを示している。一方、マイナスの影響については、近畿が非常に大きく、北海道と四国がこれに続いている。
小本 恵照
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