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- 米10月ISM指数は、製造業は続落の一方、非製造業は回復
■見出し
・製造業では景気減速を反映して続落、製造業の分かれ目である50に接近
・10月ISM製造業内訳では、生産・新規受注が低下:各指数の内訳
・非製造業では新規受注・輸出指数上昇の一方、雇用指数が低下
■introduction
企業のセンチメントを示すISM(米供給管理協会)指数は、11月1日発表の10月製造業指数(PMI)が50.9(9月は52.0)と、4ヵ月連続での低下となった。市場予想(51.5程度)を下回り、3月(50.9)以来、7ヵ月ぶりの低水準となる。同指数は本年1月に49.3と製造業の拡大・縮小の分かれ目とされる50を下回ったものの、その後6月には56.0まで回復し、再び低下の動きを続けていた。ただし、2月以降は9ヵ月連続で50を上回っており、製造業の拡大がなお持続していることを示した。
一方、5日に発表された10月のISM非製造業事業活動指数は55.8と9月(54.8)から上昇、前月からの低下を見込んでいた市場予想(54.0)を上回り、7・8月と同水準(55.8)を回復した。今回で55ヵ月連続50を上回ったこととなる。
10月末開催のFOMCでは、8月の金融市場混乱の実体経済への波及防止を目的に9月に続いて連月の利下げが実施されるなど、サブプライム問題の拡大による実体経済への影響が注目されている。この点、10月ISM指数に見られる企業のセンチメントは、製造業が続落する一方、非製造業が回復し、対照的な動きを見せた。
しかし、いずれも景況感の分かれ目である50を上回り、内訳指数別でも、輸出が急伸する中、新規受注や雇用が50台で底堅い推移を続けるなど共通した動きを見せ、急に失速する状況を呈しているわけではない。今後、景気の先行きを見る上では、4ヵ月連続の低下を見せ、50に接近してきた製造業指数の動向に注目したい。また、消費を中心に実体経済への影響が強まると予想される中、雇用や輸出指数の強めの動きにも留意しておきたい。
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土肥原 晋
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