2007年07月25日

事業の証券化 (WBS)

室町 幸雄

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■目次

1.ソフトバンクモバイルの資金調達
2.事業の証券化
3.おわりに

■introduction

2006年11月、ソフトバンクモバイル(旧ボーダフォン日本法人、SBMと略)は、同社の携帯電話事業により発生する将来キャッシュフローを裏付けとして、総額1兆4500億円におよぶローンとノートを発行した。ソフトバンクの全額出資子会社であるBBモバイルは2006年4月に旧ボーダフォンの買収資金として金融機関から1兆2800億円を短期借入していたが、SBMの調達資金を借入れて短期債務を返済したので、グループ全体としては、短期借入を最長13年の長期借入に切り替えたことになる。
このSBMの例のように、ある特定の事業が生み出す将来のキャッシュフローを裏付けとして証券を発行することを事業証券化(Whole Business Securitization、WBSと略)という。日本では2002年の熱海ビーチラインによる初のWBS以降も少しずつ証券化は行われてきたが、総発行額11兆円強(注1)という昨年度の証券化市場の中で、1件で1兆円を超すSBMの案件は群を抜いており、WBSに対する市場の注目度が一気に高まった。そこで、WBSの概要を紹介する。

(2007年07月25日「基礎研マンスリー」)

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