- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 米国経済 >
- 減速強める米経済、1-3月期GDP(速報値)は1.3%
■見出し
・1-3月期GDPの1.3%は4年ぶりの低水準
・今後は4-6月期以降の景気が焦点に~目先は4月雇用統計に注目
・景気上昇はFRBの金融緩和待ち
■introduction
4月27日発表された1-3月期のGDP(速報値)は、前期比年率+1.3%と直前の市場想(+1.8%)を下回り、10-12月期の同+2.5%から低下した。イラク開戦時の2003年1-3月期の同+1.2%以来4年ぶりの低水準となり、景気減速を強めるものとなった。。
GDPを引き下げた最大の要因は住宅投資で、前期比年率▲17.0%の大幅減少となった。前期の同▲19.8%ほどではなかったものの6四半期にわたってマイナスが続き、特にこの4四半期は二桁のマイナスが続くなど住宅市場の調整の大きさを窺わせるものとなった。第二の要因は純輸出である。原油・石油製品を中心に輸入が増加に転じた一方、資本財や工業用原材料の低下で輸出が減少したため赤字が膨らんだ。寄与度では▲0.52%と10-12月期+1.59%から大きく落ち込み、住宅投資の同▲0.97%に次ぐマイナスとなった。なお、在庫投資は寄与度▲0.3%と10-12月期同▲1.16%からマイナス幅を縮めた。
一方、個人消費は前期比年率+3.8%と10-12月期+4.2%ほど高くはなかったが、引き続き好調を維持した。寄与度では+2.66%とプラス面での大半を占め、景気を一手に支えている(上記の図表-1を参照)。個人消費の内訳を寄与度で見ると、耐久財+0.56%、非耐久財+5.8%、サービス支出+1.51%とバランスも悪くない。ただし、サービス支出中のメディケアの寄与度が+0.55%と大きく、意図せざる消費を含む分、若干割り引いておく必要があろう。なお、設備投資は情報機器・建設投資等の増加で前期比年率+2.0%と前期の同▲3.1%からプラスに転じた。製造業出荷の状況等が芳しくなかったため、低水準ではあるが予想よりは高めの数値だったと言えよう。
(2007年05月01日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ
土肥原 晋
研究・専門分野
土肥原 晋のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2014/04/07 | 金融危機5周年、米経済に変革の兆し-シェールガス革命が復興の鍵に | 土肥原 晋 | 基礎研マンスリー |
2014/03/05 | 徐々に高まる成長ステージ、2015年本格回復を視野に | 土肥原 晋 | ニッセイ年金ストラテジー |
2014/02/25 | 金融危機5周年、米経済に変革の兆し-シェールガス革命が復興の鍵に | 土肥原 晋 | ニッセイ景況アンケート |
2014/02/21 | 寒波の影響色濃い米経済~金融政策はガイダンス変更に注目 | 土肥原 晋 | Weekly エコノミスト・レター |
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年11月08日
英国金融政策(11月MPC公表)-新予算案を受けてインフレ見通しを上方修正 -
2024年11月08日
米FOMC(24年11月)-予想通り、政策金利を▲0.25%引き下げ。パウエル議長が任期途中での辞任を否定 -
2024年11月08日
内外株式ファンドで売却膨らむ~2024年10月の投信動向~ -
2024年11月08日
基礎研REPORT(冊子版)11月号[vol.332] -
2024年11月08日
実質賃金の回復を急げ-持続的な生産性向上に向けた議論を
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
【減速強める米経済、1-3月期GDP(速報値)は1.3%】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
減速強める米経済、1-3月期GDP(速報値)は1.3%のレポート Topへ