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- 変化する中国の投資・輸出主導型成長の構図
2006年11月22日
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- 7~9月期以降、中国ではマクロ・コントロール強化の影響が表れているが、投資・輸出を両輪とする高成長は2007年も続くだろう。しかし、こうした成長を支えてきた高い貯蓄率、潤沢な外資の流入、豊富で安価な若年労働力の供給、低い土地・資本のコストという要因の一部はすでに変化しつつあり、今後、一層の変化が見込まれる。
- 2003年半ばからのマクロ・コントロールでは土地管理の厳格化が柱の1つとなっており、供給の減少とコスト増につながる追加策が打ち出される可能性がある。
- マクロ・コントロール策としての利上げはアナウンスメント効果が主な狙いであり、利上げ幅は抑制、金利はなお規制下にある。資源配分効率化という政策目標の実現には金利体系の簡素化、ひいては規制の撤廃が不可避だ。
- 労働市場も、出稼ぎ労働者が不足に転じ待遇改善の圧力が強まるなど変わりつつある。中国では人口政策と近年の社会環境の変化の結果、人口ピラミッドが「逆ひょうたん」型となっており、2015年以降、生産年齢人口も減少に転じる。「豊富で安価な労働力」という構図を維持することは徐々に難しくなるように思われる。
(2006年11月22日「Weekly エコノミスト・レター」)
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経歴
- ・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職
・ 2015~2024年度 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017~2024年度 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022~2024年度 Discuss Japan編集委員
・ 2022年5月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員
・ 2024年10月~ 雑誌『外交』編集委員
・ 2025年5月~ 経団連総合政策研究所特任研究主幹
伊藤 さゆりのレポート
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