2005年07月29日

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<家計負担の将来像>
  • 6月21日に、政府税制調査会より公表された「個人所得課税に関する論点整理」(以降「論点整理」)では、個人所得税全般について、抜本的見直しを進めていくことが示された。財政再建に向けて、家計にとっては、負担増を伴う税・社会保障の各制度改正が、頻繁に実施される時代が到来することになる。
  • しかし、多くの世帯にとっては、自らの将来的な税・社会保障負担の規模を想定することは、決して容易なことではない。このなかで、諸控除の廃止や、消費税の引き上げなどの話題が先行的に伝わることは、個々の家計における将来の負担増に対する不安感を、過度に増大させてしまうことになる可能性も否定できないだろう。
  • このため、今後、本格化する税・社会保障制度改正に際しては、政府には世帯ベースの負担規模の将来像についても、ある程度の姿を示していくことが求められてくるのではないだろうか。さらには、負担水準のみならず、税・社会保障負担が増加する結果、財政赤字の改善はもちろん、社会保障の給付水準などにも、どのような影響が生じるかについても言及することで、国民の制度改正に対する理解を得ていくことも必要となってこよう。
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(2005年07月29日「Weekly エコノミスト・レター」)

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篠原 哲

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