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設備投資と不確実性:上場企業の財務データと利益予測データに基づく実証研究
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1.
本稿では、Caballero(1991)と同様の問題意識から、不完全競争・規模の経済性の観点からHartman の命題を扱いながら、先行研究が対象として来なかった「供給ショック」まで拡張した一般化されたモデルを提示し、日本の上場企業の財務データと市場における利益予測データを用いて、不確実性と設備投資の関係について実証分析を行なった。
2.
そこで得た結論は以下の通りである。実質売上高の変動に基づく不確実性が高まると、設備投資を縮小させる効果がある。同じ効果は、株価の変動による不確実性の増減においても見られるが、効果の大きさは、1997年以降になると微弱になっている。また、日経新聞社と東洋経済による企業の業績に関する予想が好転すると、企業の設備投資が高まるが、市場の評価に基づく不確実性の指標である業績予想の変動は、企業の設備投資に対して影響していない。
3.
実質売上高あるいは株価の変動が設備投資を減退させる効果は、理論モデルでは、マークアップ率が高い企業が、供給ショックに直面する場合に生じる。すなわち、市場独占度の高い企業に対して、その実質売上高や株価の決定要因としての供給ショックが支配的である状況において、不確実性の高まりは設備投資を減少させる効果が、日本では見られているということを示唆している。
(2005年03月25日「ニッセイ基礎研所報」)
竹田 陽介
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