- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- >
- 証券市場 >
- 遂に発行された長寿債券
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
欧州投資銀行(EIB)が史上初めての長寿債券(longevity bond)を発行した。2004年11月のことである。
この債券ではEIBが投資家に、元利を年金の形で支払う。その年金額が、英国で現在65歳の人口が何人生き残っているかに比例して決まる仕組みである。1年後にその人口の1.5%が死んでいれば、年金額は98.5%になる。満期を迎える25年後まで、毎年の年金支払額が死亡率に連動して変わるのである。
英国の企業年金では終身年金を支給する。余命の伸びにより過去10年で年金の支給期間が約15%伸びたため、企業が追加負担を強いられていた。このリスクをヘッジする道具として、政府が長寿債券を発行すべきではないかと、かねてから主張されてきた。
今回の発行主体はEIBであり、発行額も5億4000万ポンド(約1,100億円)に過ぎない。しかし、英国国債管理庁は物価連動債に加え、超長期債や年金型(元利均等払)債券など、投資家としての年金基金のニーズを意識した、発行債券の多様化を検討しており、余命債にも関心を抱いている。その発行が実現すれば、同じ終身年金のリスクに悩むわが国の年金基金にも、朗報となろう。
(2005年03月01日「ニッセイ年金ストラテジー」)
このレポートの関連カテゴリ
新着記事
-
2025年11月07日
フィリピンGDP(25年7-9月期)~民間消費の鈍化で4.0%成長に減速、電子部品輸出は堅調 -
2025年11月07日
次回の利上げは一体いつか?~日銀金融政策を巡る材料点検 -
2025年11月07日
個人年金の改定についての技術的なアドバイス(欧州)-EIOPAから欧州委員会への回答 -
2025年11月07日
中国の貿易統計(25年10月)~輸出、輸入とも悪化。対米輸出は減少が続く -
2025年11月07日
英国金融政策(11月MPC公表)-2会合連続の据え置きで利下げペースは鈍化
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【遂に発行された長寿債券】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
遂に発行された長寿債券のレポート Topへ










