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欧州投資銀行(EIB)が史上初めての長寿債券(longevity bond)を発行した。2004年11月のことである。
この債券ではEIBが投資家に、元利を年金の形で支払う。その年金額が、英国で現在65歳の人口が何人生き残っているかに比例して決まる仕組みである。1年後にその人口の1.5%が死んでいれば、年金額は98.5%になる。満期を迎える25年後まで、毎年の年金支払額が死亡率に連動して変わるのである。
英国の企業年金では終身年金を支給する。余命の伸びにより過去10年で年金の支給期間が約15%伸びたため、企業が追加負担を強いられていた。このリスクをヘッジする道具として、政府が長寿債券を発行すべきではないかと、かねてから主張されてきた。
今回の発行主体はEIBであり、発行額も5億4000万ポンド(約1,100億円)に過ぎない。しかし、英国国債管理庁は物価連動債に加え、超長期債や年金型(元利均等払)債券など、投資家としての年金基金のニーズを意識した、発行債券の多様化を検討しており、余命債にも関心を抱いている。その発行が実現すれば、同じ終身年金のリスクに悩むわが国の年金基金にも、朗報となろう。
(2005年03月01日「ニッセイ年金ストラテジー」)
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