2004年09月17日

2004・2005年欧州経済見通し-鍵を握る雇用情勢-

経済研究部 常務理事 伊藤 さゆり

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< ユーロ圏は2004年1.9%、2005年2.0% >

  • ユーロ圏の成長率は4~6月期も前期比0.5%と拡大基調を維持したが、外需の寄与が大きく、個人消費は鈍化し、投資は伸び悩んだ。ドイツの雇用回復の遅れから内需の本格回復は見込めず、世界経済の減速、原油高の影響で景気拡大テンポは抑制されよう。
  • 物価は間接税や公共料金の引き上げに原油高の影響が加わり、8月も前年比2.3%と政策目標の2%を上回る推移が続いているが、原油価格が来年半ば以降は前年比での物価低下要因に転じ、二次的影響も抑えられることで徐々に落ち着こう。

< イギリスは2004年3.4%、2005年2.3% >

  • 4~6月期のイギリス経済は個人消費の加速で前期比0.9%と1~3月期を上回る水準となった。7~9月期以降、消費の伸びは昨年11月来の累計125bpの利上げ効果の浸透と特殊要因の剥落で鈍化するが、政府支出の下支え、設備投資の回復によりトレンドを上回る成長が続こう。
  • 物価は食品価格の鈍化もあり政策目標の中央値(2.0%)を下回っているが、物価上昇圧力は徐々に強まりつつあり、年内の追加利上げの可能性は残されている。
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(2004年09月17日「Weekly エコノミスト・レター」)

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経済研究部   常務理事

伊藤 さゆり (いとう さゆり)

研究・専門分野
欧州の政策、国際経済・金融

経歴
  • ・ 1987年 日本興業銀行入行
    ・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
    ・ 2023年7月から現職

    ・ 2011~2012年度 二松学舎大学非常勤講師
    ・ 2011~2013年度 獨協大学非常勤講師
    ・ 2015年度~ 早稲田大学商学学術院非常勤講師
    ・ 2017年度~ 日本EU学会理事
    ・ 2017年度~ 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
    ・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
               「欧州政策パネル」メンバー
    ・ 2022年度~ Discuss Japan編集委員
    ・ 2023年11月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
    ・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員

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