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企業年金は疾風怒濤のような大転換期に差し掛かっている。従来の制度は、企業からみた費用やリスクの財務負担が大きすぎる。また、辞めた時の給与が同じなら給付額も同じという仕組みであれば、途中の働きが全く反映されない。こうした欠点を直すために、最終給与に基づいた確定給付年金は、特に大企業でキャッシュ・バランス・プランや確定拠出年金に取って代わられている。
しかし、制度変更を一方的に実施した場合には、従業員の信頼を損ない、ひいてはモラルに響く恐れがある。公的年金がマクロ経済スライドの導入によっていよいよスリム化される中、老後の不安をかき立ててしまう。同意書に署名しても、本当に納得しているかどうかは別の話である。
かといって、無い袖は振れないし、リスクも負えない。成果主義も導入せざるを得ない。しかし、企業ができることが一つある。それは従業員の1人1人のライフプランを一緒に考えることである。老後の生活設計について、例えば年に一度、個別に語りあえば、企業年金がどれだけ役に立っているかを従業員にわかってもらい、退職給付の費用対効果を改善できるのではないか。
(2004年04月01日「ニッセイ年金ストラテジー」)
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