2004年01月09日

金融・為替市場の動き/政府公約が出口政策議論開始をさらに遅らせる

熊谷 潤一

総合政策研究部 常務理事 チーフエコノミスト・経済研究部 兼任 矢嶋 康次

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<今月の日銀ウォッチ>

  1. 景気回復、金融システムの安定化などが見える一方で、マネー統計の再鈍化、政府の名目GDP2%公約などが金融政策への追加緩和期待を高め、出口政策議論開始時期をさらに後ずれさせたのではないかと見られる。
  2. 当面の金融政策は、「緩やかな景気回復」という認識は変わらないと思われることから、追加緩和は実施されず、オペ強化策を模索する方向となるだろう。
  3. 今月は、10月に発表された「経済・物価の将来展望とリスク評価」の中間評価が公表される。特に2004年度のCPI見通しの評価がどう修正されるかが注目だ。

<金融・為替市場の動き>

  1. 景気回復期待から金利先高観はなかなか払拭されないものの、デフレ継続、ゼロ金利維持、量的緩和政策下でのカネ余り状態では、長期金利の上昇余地は今後とも限られよう。
  2. 対ユーロで史上最安値を連日更新するなど、ドル安が続いているが、米当局は現状のドル安に対して何ら懸念を示していないことから、目先は円買いドル売りの流れを食い止めるきっかけを見出せない状況が続こう。
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(2004年01月09日「Weekly エコノミスト・レター」)

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矢嶋 康次 (やじま やすひで)

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