1999年11月25日

保険の時価会計

岩崎 宏介

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■目次

1.保険の国際会計基準制定に向けて
2.影響を及ぼす二つのプロジェクト
3.保険プロジェクトの検討状況

■introduction

97年4月、国際会計基準委員会(IASC)は保険プロジェクトを発足させた。現在、保険会計は特殊かつ国により大きく異なるため、ある保険会社を他国の保険会社や一般事業会社と比較するのは容易でない。国際資本市場で活動する投資家および資金を調達しようとする保険会社によって、保険会計の国際的な統一が望まれている。
また、98年12月基準化された国際会計基準39号「金融商品-認識および測定-」において、保険会社の資産のみが対象とされ負債が除外されたため、その手当てとして保険の国際会計基準が必要とされている。
保険プロジェクトは98年11月に論点概要書を完成させ、99年第4四半期に論点書の公開を目指している。その後、さまざまな利害関係者・団体の意見を聴取しつつ草案を作成・公開し、最終的な保険の国際会計基準は2003年頃に完成する予定である。
保険の国際会計基準が完成したとき、日本の保険会社の受ける影響は現在のところ不明である。現在の生保会計の主な根拠である保険業法を中心とする規定が改正されるのか、その場合現在の基準を書きかえるのかそれとも現在の保険会計と併存する新しい基準が作られるのか、あるいは一般の会計基準のように企業会計審議会の意見書という形で会計実務に反映されるのか、明らかではない。

(1999年11月25日「基礎研マンスリー」)

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