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- 拡大が続く「アミューズメントパーク」
1993年06月01日
<要旨>
- 景気低迷を反映して「安近楽型」レジャーが人気を集める中で、かつてのゲームセンターから脱皮した「アミューズメントパーク」が手軽に楽しめるレジャー施設として注目されている。アミューズメントパークの施設収入は89年以降2ケタの高い伸びをみせ、施設収入とゲーム機販売を合計した92年の市場規模は6千5百億円に達していると推計される。
- ブーム化の背景には、景気後退要因の他、余暇時間の増加を背景とした安近楽型レジャーに対する一貫した需要の強さと、80年代のゲームセンターイメージを一掃し、レジャーニーズの変化に柔軟に反応した業界の巧みなマーケット戦略がある。また最近のエレク卜ロニクス技術の進歩が次々と新しいヒット商品を産み出したことも貢献している。
- 最近のアミューズメントパークのうち、面積1,000m2以上の主要57施設をみると、1店舗当たりの平均面積が1,940m2、ゲーム機器設置数が210台、初期投資額が10億円前後と大型化が進んでいる。また、カラオケボックス、レストラン、あるいはコンビニエンスストアやショッピングセンターなどとの複合施設型が48施設と多い。この背景には、アミューズメントパークの高い集客力への注目があるが、これがまた顧客層を女性や子供へと広げる結果となっている。
- 92年は首都圏への出店が急増した。これは商業ビルスペースの空室の増加が、工期が短く比較的初期コストが少なくすむアミューズメントパークへの関心を高めたといえるが、最近の1店舗当りの投資額は従来の5~10倍近くとなっており、かつてのゲームセンターのような期間限定的な出店は難しくなっている。また最近は4,000m2をこえるようなミニ・テーマパークといえるものもいくつか現れ人気を呼んでいる。
- 中長期的にみると、余暇時間の拡大を背景に低コストレジャーはますます人々の生活に定着していくと思われる。都市型低コストレジャーの代表であるアミューズメン卜パークは、エレクトロニクスの進歩により新しい機種の派生が期待できる上、運営面でもリニューアルが容易で頻繁なイメージチェンジによる目新しさの維持が可能なことから、95年の市場規模は9千億円にまで達すると思われる。
- 以上のようにアミューズメントパークは成長過程にあると思われるものの、ここ2~3年の急速なブーム化よる競争激化により、主として都心部では、施設飽和感、サービス向上による運営コス卜増、差別化の限界が出始めており、新規出店に関しては競合施設の状況や商圏を見極めた慎重な出店が求められよう。
(1993年06月01日「調査月報」)
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俣野 文彦
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日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
1994/01/01 | 環境保護林の必要性について -日本の森林と林業のあり方・2 | 俣野 文彦 | 調査月報 |
1993/06/01 | 拡大が続く「アミューズメントパーク」 | 俣野 文彦 | 調査月報 |
1993/04/01 | 日本の森林と林業のあり方 -環境、地域経済、証券化の観点から- | 俣野 文彦 | 調査月報 |
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