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■見出し
1.ローレンス R.クライン教授
2.超短期モデル
3.研究風景
■introduction
この8月に起きた中東粉争は、順調な拡大を続ける世界経済に大きな影を落とした。戦争の可能性、石油価格の急騰といった事態にしたがって、経済の予測機関は軒並みその見通しを下方修正した。アメリカでは、かねてより予想されたリセッションが一層声高に叫ばれた。一方、日本経済についても、好調な成長が続く中でインフレ懸念が高まり、金利高、株式市場の大幅下落といった要因が経済の失速に対する警戒感をも強めた。こうした事件はとかく経済予測の担当者にとって頭の痛い出来事である。
経済予測は、周知の如く、政府の政策決定や企業の経営計画策定の過程において重要な役割を演じる。日本では、例年11月末から1月頃にかけて経済企画庁をはじめ、独立系もしくは金融機関系のシンクタンク、企業の調査部などから数多くの経済見通しが発表される。特に各機関のGNP成長率予測が新聞紙上で比較され恰好の話題となることは恒例である。この点に関して言えば、アメリカはマクロ経済の予測がやや専門化しているようだ。経済予測サービスは一つの産業として確立され、WEFAグループやDRI(Data Resources,lnc.)のように、高度化された計量モデルを用い、専門スタッフを多数揃える民間予測コンサルタント会社がその顧客にマクロ経済予測を提供する。各企業はこれに基づいて、主に産業予測や経営予測を行うというスタイルが定着している。その他、政府機関や大学の研究グループも経済予測に取り組み、彼らの成果が各所で発表されている。現代の予測作業では、ほとんどの場合、計量マクロモデルが用いられている。F.G.アダムス ペンシルバニア大学教授は、The Business Forecasting Revolution:Nation-Industry-Firm(Oxford:Oxford University Press,1986)の中で、アメリ力の主要予測機関に対し、その予測手法に関するアンケー卜を行っている。これによると、一部を除きほとんどの機関が予測の判断材料として、計量モデルに30%~80%のウエイ卜をおいている。日本の場合でもおおよそ同じであろう。
以下本稿では、ペンシルバニア大学経済学部クライン教授の経済予測モデルに関する最近の研究から、筆者が参加しているプロジェクトを紹介したい。
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村本 修
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