1990年04月01日

多角化戦略に更に邁進する米国プルデンシャルグループ

山口 徹

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■見出し

1.16代目の「ジブラルタルの岩」
2.昨年来の主要な動き
3.トレードマークの「岩」はなぜ変更されたのか

■introduction

米国保険業界で長年ナンバーワンの座を守り、経営多角化に積極的な米国プルデンシャルは、百年来同社のトレードマークである「ジブラルタルの岩」を、昨年わずかに変更していた。しかしこの新しい「岩」が、実は同社にとって16代目の「岩」であることは、あまり知られていない。

今回の同社の「岩」の変更についてはこれといった明確なプレスリリースはなかった。また、直前の「岩」が抽象化された幾何学的な「岩」であったのに対し、今回の「岩」 はむしろもう一代前の14代目のように写実的な「岩」に戻っている。日本で見られるようなロゴの抽象化とは反対の方向である。そういえばテレビのコマーシャルもいつの間にか変わっていた。何年か前にはコンピュータグラフィックを駆使した画面で、巨大な「岩」が大洋を進んでいくシーンを、荘重なBGMとともに流していたが、最近のCMは、ハリウッドのクラシック映画のような画面と昔のアメリカンポップスで、ノスタルジックな仕上がりとなっている。

米国プルデンシャルは、'80年代のアメリカの金融革命の嵐を経営の多角化戦略で乗り切り、その後も金融業界での地歩を着々と固め、いまやアメックスやシアーズなどと並び称せられるほどの金融コングロマリットとなった。しかし上に見たようなロゴの変更は、この「ノンバンクの雄」の経営戦略の変化でも示唆するのであろうか。

答は「否」である。好調だった'88年決算に続き、同グループは'89年も更なる経営の多角化に邁進し、ほとんどのユニットで好業績を挙げている。以下に同社の昨年のトピックの中から、主要なものを幾つか取り上げてみたい。

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