1989年05月01日

消費者ローン市場の動向

窪谷 治

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【はじめに】

消費の拡大、企業貸出の低迷、銀行の個人メイン化推進といった状況の下、消費者ローン市場が急拡大している。

金融機関にとって、個人金融市場の潜在需要は大きく、消費者ローンは住宅ローンと並んで個人金融の大きな柱になりつつある。

そこで、今後も成長が期待される消費者ローン市場の現状を、銀行の動向を中心に概観してみる。

【要旨】

  1. 消費者口ーンは、提供する各業態において大きく伸びているが、とりわけ銀行伸びが著しい。
  2. 特に、都市銀行の伸びが目立つが、これは大型の不動産担保ローンの増加に伴う一件当たり金額の伸びに支えられている。反面、地方銀行等では一件当たり金額よりも、件数が伸びている。
  3. 銀行消費者ローンの増加は、様々な環境変化が原因だが、首都圏の地価高騰や財テクブームといった現象がローン増加に拍車をかけた。
  4. 消費者ローン急増に伴う不良債権増加は懸念材料の一つであり、若干の調整場面もあろうが、大きなマイナス要因とはならず、今後も増勢傾向が続く。
  5. 消費者ローン残高は、この'89年末には25兆円にせまり、業態間の競争も益々激化することが予想される。

(1989年05月01日「調査月報」)

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【消費者ローン市場の動向】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

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