- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 金融・為替 >
- 金融市場・外国為替(通貨・相場) >
- 日銀枠組み変更、米利上げ見送りを受けた為替見通し~マーケット・カルテ10月号
2016年09月23日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大

当面は米大統領選を控えた警戒などからドルを買いづらく、円は幾度か上値を試しそうだ。ただし、12月利上げ観測が残ることで、大幅な円高は回避できるだろう。その後11月に入ると、大統領選でクリントン氏が勝利して先行き不透明感が払拭されること、さらに12月利上げが射程内に入ってくることで、「日米金融政策の方向感の違い」と「市場のリスク選好」という円安ドル高の条件が揃い、円安へ向かうと予想している。利上げ後は、利上げの悪影響への警戒や利益確定などからドルがやや売り戻され、年終盤は105円程度になると見ている。
ユーロ円は8月以降、113円前後での一進一退が続いている。ユーロ円は今後も決め手に欠けるが、11月にはドル円の円安がユーロ円に波及することで一旦やや円安になると見ている。しかし、その後は12月ECB理事会での量的緩和延長が意識されることでユーロ安圧力がやや高まると予想。3ヵ月後の水準は、現状と大差ないだろう。
長期金利については、日銀が9月会合において長期金利を誘導目標化し、ゼロ%程度を目標値に設定したことで、ゼロ%を多少割り込む水準での推移が予想される。ただし、日銀がどこまでうまくコントロールできるのかという点には不透明さもある。思惑が交錯して、金利が一時的に不安定化する事態も有り得る。
(執筆時点:2016/9/23)
(2016年09月23日「基礎研マンスリー」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1870
経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
上野 剛志のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/10/14 | 貸出・マネタリー統計(25年9月)~銀行貸出の伸びが4年半ぶりの4%台に、定期預金等はバブル期以来の高い伸びを記録 | 上野 剛志 | 経済・金融フラッシュ |
2025/10/06 | 円安が続く背景を改めて点検する~円相場の行方は? | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/10/01 | 日銀短観(9月調査)~トランプ関税の影響は依然限定的、利上げ路線をサポートするも、決め手にはならず | 上野 剛志 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/09/22 | 揺れるドル円、日米金融政策と政治リスクの狭間で~マーケット・カルテ10月号 | 上野 剛志 | 基礎研マンスリー |
新着記事
-
2025年10月21日
今週のレポート・コラムまとめ【10/14-10/20発行分】 -
2025年10月20日
中国の不動産関連統計(25年9月)~販売は前年減が続く -
2025年10月20日
ブルーファイナンスの課題-気候変動より低い関心が普及を阻む -
2025年10月20日
家計消費の動向(単身世帯:~2025年8月)-外食抑制と娯楽維持、単身世帯でも「メリハリ消費」の傾向 -
2025年10月20日
縮小を続ける夫婦の年齢差-平均3歳差は「第二次世界大戦直後」という事実
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【日銀枠組み変更、米利上げ見送りを受けた為替見通し~マーケット・カルテ10月号】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
日銀枠組み変更、米利上げ見送りを受けた為替見通し~マーケット・カルテ10月号のレポート Topへ