2012年03月29日

人口高齢化と金利の変化

経済研究部 専務理事   櫨(はじ) 浩一
経済研究部 シニアエコノミスト   上野 剛志

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■見出し

1――日本経済の構造変化
2――人口高齢化と金利の理論的関係
3――長期金利を巡る最近の動き
4――今後の予想されるシナリオ
5――おわりに

■introduction

第二次世界大戦後の日本経済は、終戦直後の経済的な混乱を過ぎると高度成長の時代が続いたが、二度にわたる石油危機を経て1980年代には安定成長期を迎えた。さらに1990年代に入ると、不動産や株のバブル崩壊の影響もあって経済成長率の低下は顕著となり、低迷が続くようになった。日本経済が低成長に悩まされるようになったのは1990年代に入ってからだが、1980年代に入ると物価上昇率が低下し、名目経済成長率は実質成長率よりも急速に減速してきた。
高度成長期が終わり、経済成長率が次第に低下傾向をたどってきた理由は、いくつか指摘されている。第一の理由は、第二次世界大戦直後の日本経済では大きく落ち込んだ生産水準が戦前の水準へと回復することが高成長の一因であったが、それが消滅したことである。第二の理由としては、欧米先進国へのキャッチアップが1970年代にはほぼ終了したことが指摘される。第三の理由は、日本の少子・高齢化であり、労働力人口の増加速度が次第に低下し、2000年代には減少傾向に転じたことである。
日本の人口構造が高齢化することによって潜在成長率が低下することは以前から予想されていた。経済成長率は、労働力人口の伸び、資本ストックの増加、技術の進歩という、3つの要素に分解して考えることができる。高齢化が進むことで労働力人口が減少に転じたことは、日本の経済成長率が低下した大きな要因である。第二には、人口構造が高齢化することで家計貯蓄率が低下し、生産に使われる工場設備などの資本ストックの伸びが鈍化することが上げられる。最後は、技術進歩であるが、高齢化が技術進歩を加速するのか、減速させるのかについては意見が分かれている。



 

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経済研究部

櫨(はじ) 浩一 (はじ こういち)

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経済研究部

上野 剛志 (うえの つよし)

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