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- 名古屋オフィス市場の現況と見通し(2018年)
2018年04月03日
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4. 名古屋オフィス市場のエリア別動向
2017年は全地区で空室率が低下した。2017年12月の空室率は、丸の内地区で3.84%(前年同期比変化幅▲2.32%)、名駅地区4.08%(同▲1.39%)、伏見地区4.21%(同▲2.63%)、栄地区4.71%(同▲1.76%)だった(図表-10左図)。エリア間の空室率の差は徐々に縮小しており、空室率が最も高い地区と低い地区の差は、直近では2017年3月以降、概ね1%を下回っている。なお同水準が1%以下となるのはファンドバブル期の2007年2月以来である。
募集賃料は、名駅地区が先行して上昇していたが、伏見地区や丸の内地区も上昇に転じ、底打ちの様相を呈している。一方、栄地区は横ばいで推移しており、エリア間での強弱が依然として見られる(図表-10右図)。
募集賃料は、名駅地区が先行して上昇していたが、伏見地区や丸の内地区も上昇に転じ、底打ちの様相を呈している。一方、栄地区は横ばいで推移しており、エリア間での強弱が依然として見られる(図表-10右図)。
5. 名古屋オフィス市場における新規供給・人口見通し
2015年以降続いた名古屋駅周辺での大規模ビル供給も2017年で一段落した。2015 年に大名古屋ビルヂングとJP タワー名古屋、2016 年にシンフォニー豊田ビル、2017年にJR ゲートタワー、グローバルゲートと計5棟が竣工し、名古屋駅前のオフィス集積が高まった。今後は、2018年に広小路クロスタワー、2019年に鹿島伏見ビル、2020年に名古屋三交ビル建替計画、2021年に名古屋三井ビルディング北館などが予定されているが、新規供給は減少する見通しだ(図表-13)。
国勢調査によると、名古屋市の2015年の生産年齢人口(15~64歳人口)は143.0万人と、2010年から3.4万人の減少となった。国立社会保障・人口問題研究所によれば、2025年までの10年間で生産年齢人口は4%減少する見通しだが、他の主要都市と比較すると減少は小幅にとどまる(図表-14)。
国勢調査によると、名古屋市の2015年の生産年齢人口(15~64歳人口)は143.0万人と、2010年から3.4万人の減少となった。国立社会保障・人口問題研究所によれば、2025年までの10年間で生産年齢人口は4%減少する見通しだが、他の主要都市と比較すると減少は小幅にとどまる(図表-14)。
6. 名古屋オフィス市場の賃料見通し
名古屋における今後のオフィス供給や人口流入、経済予測などに基づくオフィス需給の見通しから、2024年までの名古屋のオフィス賃料を予測した7。
名古屋のオフィス賃料は、新規供給が一旦落ち着き、需要も底堅く推移することが見込まれるため、当面、上昇が続くと予想される。標準シナリオによると、オフィス賃料は、2020年のピークまで2017年下期比+3.6%の上昇となる見込みだ。その後、賃料は下落に転じ、2024年には2017年下期比▲6.1%まで下落する見込みである。楽観シナリオでは、2021年の賃料のピークまでの上昇率は同+9.6%、2024年の賃料水準は同+4.0%となった。また悲観シナリオでは、今年から賃料は下落し、2024年の賃料水準は同▲16.2%となった(図表-17)。
名古屋オフィス市場では、2015年からの大量供給により需給の悪化が懸念をされたが、新築ビルも概ね埋まり、二次空室や三次空室もほぼ解消するなど、オフィス市況は好調に推移している。今後も、堅調なオフィス需要に支えられ、2020年まで賃料上昇が続く見込みだ。しかし、賃料水準はすでにファンドバブル期と同水準まで上昇していることもあり、賃料上昇幅は小幅にとどまることが予想される。
名古屋のオフィス賃料は、新規供給が一旦落ち着き、需要も底堅く推移することが見込まれるため、当面、上昇が続くと予想される。標準シナリオによると、オフィス賃料は、2020年のピークまで2017年下期比+3.6%の上昇となる見込みだ。その後、賃料は下落に転じ、2024年には2017年下期比▲6.1%まで下落する見込みである。楽観シナリオでは、2021年の賃料のピークまでの上昇率は同+9.6%、2024年の賃料水準は同+4.0%となった。また悲観シナリオでは、今年から賃料は下落し、2024年の賃料水準は同▲16.2%となった(図表-17)。
名古屋オフィス市場では、2015年からの大量供給により需給の悪化が懸念をされたが、新築ビルも概ね埋まり、二次空室や三次空室もほぼ解消するなど、オフィス市況は好調に推移している。今後も、堅調なオフィス需要に支えられ、2020年まで賃料上昇が続く見込みだ。しかし、賃料水準はすでにファンドバブル期と同水準まで上昇していることもあり、賃料上昇幅は小幅にとどまることが予想される。
7 経済見通しは、ニッセイ基礎研究所経済研究部「中期経済見通し(2017~2027年度)」(2017.10.13)、斎藤太郎「2017~2019年度経済見通し-17年7-9月期GDP2次速報後改定」(2017.12.8)などを基に設定。
(ご注意)本稿記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本稿は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものでもありません。
(2018年04月03日「不動産投資レポート」)
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竹内 一雅
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