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オフィス市場は好調継続。リート市場の低迷でJREITによる物件取得が減少。~不動産クォータリー・レビュー2017年第3四半期~

竹内 一雅
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1.経済動向
ニッセイ基礎研究所の中期経済見通しでは、2027年度までの実質GDP成長率は平均1.0%で、過去10年平均の0.5%を上回ると予測している(図表4)。人口減少は当初想定されていたよりもペースが緩やかになっていることもあり、今後10年程度は人口減少による経済成長への影響を過度に悲観する必要はないと思われる。
2.人手不足と建設単価
逼迫した労働需給を背景に、緩和傾向にあった建設技能労働者の過不足も、再び不足率が上昇しはじめている(図表7)。賃金もアルバイト・パートを中心に上昇基調にある。毎月勤労統計調査によると、2016年12月以降、パートの時間当たり賃金は前年比で2.0%以上の上昇が続いている。こうした人手不足と人件費の上昇により、東京の建設工事原価も再び上昇している。昨年10月以降は、倉庫の建築単価の上昇率が相対的に高まっている(図表8)。
3.地価動向
野村アーバンネットによると、東京圏、大阪圏の商業地価は、銀座で大幅な上昇が続いているが、その他の地区では今年に入り地価は横ばいかわずかな上昇にとどまっている(図表11)。
4.住宅着工と住宅販売市場
着工戸数が好調に推移する一方、首都圏の分譲マンション発売戸数は過去数年の最低水準で推移している(図表-13)。首都圏の分譲マンション価格は高止まりしており、契約率も好不調の目安である70%を下回る月が多い(図表14)。マンションの価格帯別に契約率・契約戸数を一年前と比較すると、高額物件で契約戸数、契約率ともに大きく改善し、6千万円以上の契約率は70%を上回った2(図表15)。一方、6千万円以下では契約戸数の減少が顕著となっているが、低価格帯では建築コストの上昇により採算性の問題などから発売戸数が減少したことも影響している3。
1 金融庁によるアパートローンへの監視が強化されているといわれており、銀行によるアパートローン残高は8月末に前月比でマイナスとなった(図表41、42)。
2 2016年7-9月は、相続税の節税対策(タワーマンション節税等)に対する取り締まり強化が報道されており、高率で推移していた高額マンションの契約率が大幅に低下した時期だった。なお、この時期には円高が進行し、日経平均株価も2015年の2万円台から下落し1万6千円程度で停滞していた。
3 2017年7-9月に6千万円未満の分譲マンションの契約戸数は一年前と比べ▲648戸減少したが、発売戸数はそれを下回る▲799戸の減少だった。
(2017年11月09日「不動産投資レポート」)
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