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2016年08月03日
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公私年金の基本ポートフォリオ(政策アセットミックス)を考える際、国内債券を中心に国内株式・外国債券・外国株式を対象とするのが、長い間の日本の慣行であった。その背景には2(国内外)×2(債券と株式)という分類のわかりやすさだけでなく、リスク分散が期待できる、という実質的な背景もあった。
確かに00年頃まで4つの資産クラスは内外の企業収益や物価、あるいは金融政策などそれぞれ異なる要因で動いていた。しかし、昨今ではリスク分散効果に疑問が呈されている。例えば、外国株式と国内株式は、世界経済の成長率や投資家のリスクオン・オフの間の転換、という共通の要因に影響されている。また、外国株式・外国債券リターンには為替レートという共通の要因がある。さらにリスクオフ時には国内株式も円高の悪影響を受けるため、3つの資産間の相関係数がどれも0.7を超えるという分析もある。
4資産というラベルにこだわり続けていると、リスク分散できているかのような錯覚に陥る。実質的なリスク分散効果を考慮すると今後は債券(ヘッジ付き外債を含む)、グローバル株式という2資産フレームワークや2資産にそれらと相関の低い一般勘定、為替オーバーレイや絶対リターン資産、を加えた3資産フレームワークを基本ポートフォリオの出発点にするべきかもしれない。
確かに00年頃まで4つの資産クラスは内外の企業収益や物価、あるいは金融政策などそれぞれ異なる要因で動いていた。しかし、昨今ではリスク分散効果に疑問が呈されている。例えば、外国株式と国内株式は、世界経済の成長率や投資家のリスクオン・オフの間の転換、という共通の要因に影響されている。また、外国株式・外国債券リターンには為替レートという共通の要因がある。さらにリスクオフ時には国内株式も円高の悪影響を受けるため、3つの資産間の相関係数がどれも0.7を超えるという分析もある。
4資産というラベルにこだわり続けていると、リスク分散できているかのような錯覚に陥る。実質的なリスク分散効果を考慮すると今後は債券(ヘッジ付き外債を含む)、グローバル株式という2資産フレームワークや2資産にそれらと相関の低い一般勘定、為替オーバーレイや絶対リターン資産、を加えた3資産フレームワークを基本ポートフォリオの出発点にするべきかもしれない。
(2016年08月03日「ニッセイ年金ストラテジー」)
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