- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 老後の所得保障に不可欠な年金選択割合の向上
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
DC制度では一時金による受給の割合が9割を超え、本来の目的である年金での受給割合が1割にも満たないとの調査結果がある。一時金と年金とで受給時の税制上の取扱いが異なることが一因と推測されるが、人々の心理的な傾向が影響している可能性もある。
人々は、遠い将来の利益よりも、目先の利益を優先する傾向にあることが指摘される。双曲割引や近視眼的行動などと言われる心理的バイアスで、将来の貴重な生活資金である筈の年金原資が、目先の満足度を高める消費のために、一時金という形で受給されている可能性である。
仮に、心理的バイアスを主因として年金選択割合が低水準に留まっているのであれば、DC制度が普及したとしても、老後の所得保障として必ずしも十分に機能するとは限らないことになる。
昨年、公的年金を補完する機能の強化を含め、企業年金制度の在り方が議論され、その一環でDC制度については、様々な普及促進策が実現しつつある。しかし、年金選択割合が低水準に留まる現状を踏まえると、老後の所得保障の充実という点では十分とは言い切れない。年金選択割合の改善に向けた早期の政策対応が望まれる。
(2015年06月03日「ニッセイ年金ストラテジー」)
このレポートの関連カテゴリ
新着記事
-
2025年07月01日
日銀短観(6月調査)~トランプ関税の悪影響は今のところ限定的だが、早期の利上げには直結せず -
2025年07月01日
加熱する中国フードデリバリー抗争-ドライバー争奪の切り札として進む社会保険適用 -
2025年07月01日
国際的に注目を集めるAsset-Intensive Reinsurance(AIR)を巡る動向 -
2025年07月01日
今週のレポート・コラムまとめ【6/24-6/30発行分】 -
2025年06月30日
食品ロス削減情報の比較可能性-何のための情報開示か?
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【老後の所得保障に不可欠な年金選択割合の向上】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
老後の所得保障に不可欠な年金選択割合の向上のレポート Topへ