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- 日銀短観(6月調査)予測~大企業製造業の業況判断D.I.は2ポイント悪化の15を予想
2014年06月19日
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- 6月調査日銀短観では、注目度の高い大企業製造業で6四半期ぶりとなる景況感悪化が示されると予想する。大企業非製造業については製造業を上回る悪化を予想。増税後の消費減少は顕著であり、非製造業の景況感悪化は避けられないと考えられる。製造業も増税後の生産減少こそ限定的だが出荷減少はかなり大きいうえ、輸出額が前年比マイナス(5月)になっていることで内外にわたる閉塞感を感じやすい。従って、小幅ながら景況感悪化を見込む。中小企業については、強い人手不足感が事業の制約となっている先や、収益が改善していない中で賃上げに踏み切らざるを得なかった先が多いとみられることから、景況感の悪化幅が大企業よりも大きくなる。ただし、規模を問わず、前回調査時点における見通しほどは悪化せず、「企業マインドへの増税の影響は限定的」と受け止められそうだ。
- また、今回の先行きの景況感は幅広い改善が予想される。駆け込み需要の反動減は増税直後が最も大きく、以降は緩和していくと考えられるためである。賞与増への期待もある。
- 今回の最大の注目点は景況感の先行きである。景気については、7-9月には反動減の影響が緩和し、以降は回復基調に戻るとの見立てがコンセンサスだが、景気回復ペースに影響を与える企業の景況感が先行きにかけてどの程度の反発力を見せるのかが重要になる。また、増税後の景気回復力に影響するという意味で、14年度の設備投資計画も注目度が高い。前回調査時点では全規模合計で前年比▲4.2%と慎重さが残る結果であった。6月調査では上方修正されやすいという統計上のクセが存在するため、上方修正自体はあまり意味を持たないが、どの程度の上方修正が行われるかが注目される。
(2014年06月19日「Weekly エコノミスト・レター」)
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経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
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