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この言葉を耳にするようになったのはいつごろであろうか。原点は企業や個人の期待を金融政策に織り込むことの重要性を説いた1990年代の経済学説にありそうだ。しかし、我々が日常的に接するようになったのはもう少し後のことだ。政策金利の水準をめぐり当時の日銀総裁が先行きを見据えて判断すべき、と語った2000年代半ばではなかっただろうか。その後は日本経済の低迷とともに、金融政策の場でこの言葉の出番は減ってきたように感じる。
現在はどうか。この表現を多く目にするのは金融規制・監督の分野だ。意味するところは、政策当局と金融機関はすべからく、将来に顕在化する可能性のあるリスクを認識し、対策を講ずる必要があるというものだ。背後にはサブプライム、リーマンショック、欧州信用危機と続いた問題を防止できなかったことへの反省がある。最近では一般企業も同様のリスク管理に取り組んでいる。フォワードルッキングと言えばリスク管理と不可分な言葉となっている。
年金の分野では、昨年の公的年金等をめぐる有識者会議の議論が記憶に新しい。資産・負債の両面におけるリスク分析が必要との指摘だ。但しこの表現については、運用機関に相場を当てる能力を期待しているにすぎないと解釈した年金関係者もいる。運用対象の多様化が始まった今こそ、フォワードルッキングなリスク管理の議論が進むことを期待したい。
(2014年05月07日「ニッセイ年金ストラテジー」)
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