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来年から始まるNISA(少額投資非課税制度)が話題である。報道等によれば証券会社での口座開設は322万件が見込まれている。運用商品は株式投信などのリスクのある商品が中心であろう。元本確保への選好が強い日本の個人投資家の行動としては興味深い。
リスク資産を用いてお金を貯める目的と言えば、老後の準備が考えられる。税引き後のリターンを考えることは理にかなっている。しかし本来であればNISA単独でなく、保有する資産全体でリスクとリターンを見て運用商品を決めることが重要なはずである。
会社員を対象とした筆者等の研究では、会社の確定拠出年金(DC)や確定給付年金(DB)で株式投資を増やしたなら、個人の資産運用でも株式投資を増やす方が望ましいとする者や、会社での運用と個人の運用は関係がないとする者が多数を占めた。資産全体でリスクとリターンを見極めるという考え方ではない世界だ。
企業でDCやDBの管理をする者にとって、従業員の個人的な資産運用については、どうすることもできない話である。しかし、従業員の退職準備という観点からは非常に重要な話でもある。
(2013年11月06日「ニッセイ年金ストラテジー」)
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