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公的・準公的年金の運用のあり方を検討する有識者会議が招集されてから2ヶ月が過ぎた。当初の計画どおり11月までに提言を出すべく議論を進めているようだ。GPIF 以外の公的・準公的年金も対象とするだけに、その提言内容の与える影響は大きい。
そうしたなか、厚生労働省から平成24年度年金積立運用報告書が8月に発表された。これによれば、昨年度末の厚生年金積立金残高(時価)は117.9兆円となっている。株価の低迷が続いていた平成23年度末と比べると6.4兆円の増加である。
世間の関心は公的年金の資産運用に向きがちだが、実はそれ以外の要素にも注意が必要だ。例えば厚生年金の保険料収入をみると、前回の財政検証時の見通しを下回る状態が続いている。雇用環境の変化が名目賃金の水準や被保険者数に悪影響を及ぼしているためであろう。そのほかに基礎年金を含めた支出水準の推移も気になる。
おりしも来年の2月には新たな財政検証の結果が公表される見通しだ。一部には有識者会議が欧米流の積極的な運用を提言するのを期待する声もあるようだが、年金財政の健全化は資産運用だけで実現できるものではない。国民は今も安心できる公的年金制度を望んでいる。時間をかけてでも納得感のある議論を関係者に期待したい。
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