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■見出し
1――はじめに
2――受給格差は最大4倍?、制度によってひろがる受給格差
3――地域毎の制度運営から発生する構造的課題
1│制度運営-受給者1人を1.6人で支える地域
2│年金原資の運用・管理-尾を引く歴史的な「つけ」
3│制度の改正-進まぬ制度改革
4――年金財政改善に向けた動き
1│基金の統合はまず「省」単位から
2│基金の収益改善に向けた取組み
3│検討が進む支給開始年齢の引上げ
5――おわりに
■introduction
昨年に急浮上した中国の年金問題。これまで経済成長に隠れてあまりクローズアップされてこなかったが、ここに至ってこれまで燻っていた国民の年金不安は一気に高まっている。その発端は国の財政収入の1.6年分ともされる年金原資不足を指摘した報道だ。
中国の公的年金制度は、地域毎に運営されるといった構造的問題や積立金の運用規制、個人勘定部分の流用に見られるような歴史的な負の遺産を抱えている。加えて、近年の平均寿命の延びや物価の上昇など急速な情勢の変化に制度の改正が追いついていない状況にある。
日本と同様、支給開始年齢の引上げも俎上にはのぼっているが、対象となる退職者の7割が年金(退職金を含む)を主な収入源としており、就労による収入を主な収入源とするのはわずか7%である。国民の多くが老後の生活を年金に依存したまま、少子高齢化や年金財政の悪化は加速度的に進んでいる。
本稿では、中国における公的年金制度を概説しながら、中国が現在抱える諸課題について考察する。
(2013年06月14日「基礎研レポート」)
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03-3512-1784
- 【職歴】
2005年 ニッセイ基礎研究所(2022年7月より現職)
(2023年 東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士後期課程修了) 【社外委員等】
・日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
(2019~2020年度・2023年度~)
・生命保険経営学会 編集委員・海外ニュース委員
・千葉大学客員教授(2024年度~)
・千葉大学客員准教授(2023年度) 【加入団体等】
日本保険学会、社会政策学会、他
博士(学術)
片山 ゆきのレポート
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