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- 金融市場の動き(11月号)~上昇する“悲惨指数”と動揺する市場
2011年11月04日
- (“悲惨指数”が上昇) 10月末にギリシャのパパンドレウ首相が救済受入れの是非を問う国民投票の実施を表明したことでギリシャ情勢が再び緊迫化し、金融市場も動揺している。ギリシャでは頻繁なデモに現れているように、救済に伴って発生する財政赤字削減策への国民の不満が強く、政治の混乱の原因になっている。国民の生活苦を示す一つの指標とされる“悲惨指数”について同国の推移を見ると、2010年以降に急激な上昇がみられる。また、悲惨指数の上昇はギリシャに限らず、救済する側のドイツや米国など世界のあちこちでみられ、このことが政治基盤の弱体化を通じて国際政治の足並みの乱れに繋がっているとみられる。問題の根は深く、今後とも金融市場の期待と政治のスピードとのギャップは続きそうだ。金融市場において政治が大きなテーマであり続ける可能性が高い。
- (日米欧金融政策) 10月下旬に日銀が資産等買入基金増額による追加緩和を決定、ECBも今月に入って利下げを決定した。FRBは10月以降金融政策を維持しているが、下方リスクへの警戒感は高まっており、今後の追加緩和へ含みを残している。市場の見方としても、米緩和の一層の長期化、ユーロ圏のさらなる利下げを織り込んでいる。
- (金融市場の動き) 10月の金融市場では欧州の危機対応への動きを好感する形でリスク回避姿勢が緩み、世界的に株価が反発、円は介入により月末に反落、国内債券は僅かに下落した。しかし未だ欧州の財政・金融システム、米景気の不安払拭は見えず、今後も警戒感の強い中で一喜一憂の展開を予想。円高、債券高圧力は当面収まりそうにない。
(2011年11月04日「Weekly エコノミスト・レター」)
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経歴
- ・ 1998年 日本生命保険相互会社入社
・ 2007年 日本経済研究センター派遣
・ 2008年 米シンクタンクThe Conference Board派遣
・ 2009年 ニッセイ基礎研究所
・ 順天堂大学・国際教養学部非常勤講師を兼務(2015~16年度)
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