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生損保の指定代理請求制度-認知症などによる意思能力喪失に備える制度についての顧客にとっての留意点
小林 雅史
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■目次
1――はじめに
2――生保会社の指定代理請求制度
3――損保会社の代理請求制度
4――おわりに
■introduction
2000年、認知症などにより本人の判断能力が不十分な場合の対応である法定後見制度として、成年後見制度が導入され、家庭裁判所の審判による後見・保佐(従来の禁治産・準禁治産に対応)・補助(軽度の精神障害を有する者に対応するため新設)に加え、本人の判断能力低下前に、あらかじめ本人が後見人を公正証書により登記しておく任意後見制度も新設された。
成年後見制度については家庭裁判所による審判が必要であり、審判の申立件数は制度創設以来累計約20万件を超えている一方、認知症の高齢者は約200万人(2010年時点、厚生労働省推定)とされており、必ずしも幅広く普及しているとはいえない状況にあるものと考えられる。
こうした中で、保険会社においても、独自の取組みとして、被保険者が受取人となる保険金等について、被保険者が保険金等を受け取ることのできない意思能力喪失等の特別な事情がある場合に、保険契約者が被保険者と一定の関係を有する者からあらかじめ被保険者の同意を得た上で指定した指定代理請求人が、被保険者の代理人として保険金等を受け取ることができるという指定代理請求制度(後述の通り、生保会社の一部や損保会社においては、事前の被保険者の同意を得た上での保険契約者の指定を要しない代理請求制度)を1992年以降導入しており、現在ではほとんどの会社で指定代理請求制度を取り扱っている。
加齢による認知症などに備え、将来の保険金等を必ず受け取るための「転ばぬ先の杖」として、保険会社版の任意後見制度として捉えることもできよう。
本稿では、生保会社・損保会社それぞれの制度の沿革と普及状況・概要等について紹介し、保険商品に加入している顧客にとっての指定代理請求制度の重要性と、制度の利用の手引きとすることとしたい。
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