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- 米7月民間雇用増は7.1万人と予想を下回る
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■見出し
・雇用全体では13.1万人減~政府の国勢調査要員減少が主因
・7月失業率は9.5%、広義の失業率も16.5%と横ばいに
■introduction
米労働省発表の7月雇用統計では、非農業事業部門の雇用者が前月比▲13.1万人(以下も前月比)となり、市場予想(▲6.5万人)を下回った。また、前月の雇用者についても、当初発表の▲13.1万人から▲22.1万人へと大きく下方修正された。
最近の雇用統計では国勢調査による一時雇用者の増減(5月+41.1万人→6月▲22.5万人→7月▲14.3万人)による影響が大きく、7月も雇用者減少の主因となった。なお、政府は今回の減少分を除いた国勢調査要員を19.6万人抱えており、この分が今後の雇用減少要因となる。
一方、国勢調査要員等が含まれない民間部門の雇用は+7.1万人と6月(+3.1万人)を上回ったが、市場予想(+9万人)には届かなかった。また、ギリシャ危機前の3月(+15.8万人)、4月(+24.1万人)との比較では、大きく見劣りする状況が続いている (図表1)。
7月の前月比の雇用増減を部門別に見ると、生産部門では、製造業が+3.6万人(前月+1.3万人)、鉱業等が+0.8万人(同+0.5万人)と増加した一方、建設業が▲1.1万人(同▲2.1万人)と減少が続いた。不振の続く建設業では3・4月と33ヵ月ぶりに一時的な増加に転じたが、その後は再び減少している。また、製造業の増加は7ヵ月連続となるが、内訳では耐久財が+3.6万人と増加数のほとんどを占め、耐久財中心の回復が続いている(図表2)。
民間サービス部門の雇用は+3.8万人(前月+3.4万人)と7ヵ月連続で増加したが、好調だった4月(前月比+17.4万人)と比べると増加数は大幅に減少している。内訳では、教育・ヘルスケアが+3.0万人、運輸・倉庫が+1.2万人と増加した一方、これまで増加が続いていた人材派遣(Temporary help services、前月比▲0.6万人)が減少を見せ、同部門を含む専門・事業サービスが▲1.3万人と減少に転じ、金融(含む不動産)も▲1.7万人と減少が続いた(巻末の図表4参照)。
政府部門では前月比▲20.2万人の減少、うち連邦政府が▲15.4万人と減少したが、これは前記の国勢調査要員がほとんどを占める。一方、州・地方政府は▲4.8万人と減少、減少の過半を教職員が占める。州・地方政府が歳入減により、教職員を中心に雇用減に動いている構図が窺われる。
(2010年08月10日「経済・金融フラッシュ」)
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