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しばしば、常務理事など年金基金の管理者は運用の専門家である必要はないとされている。証券売買のプロである運用機関に任せておけば、専門家でなくても受託者責任を果たせると言う。
しかし、年金基金管理の最大の仕事は、運用基本方針、特に政策アセットミックス(資産配分)の決定である。この仕事において慎重な専門家(プルーデント・エキスパート)としての受託者責任を果たすためには、常に従来手法への問題意識を持ち、より優れた理論や手法を取り入れるための準備を怠るべきではない。現に欧米の年金基金には、従来のファイナンス理論や手法を見直して、(1)平均分散法だけでなく、ファットテイルを考慮した資産配分、(2)長期間固定するのではなく、市場の状況に弾力的に対応できる資産配分、を取り入れる動きがある。
もっとも、新しい手法や流行の手法がいつも正しく、成功するとは限らない。だからといって、資産配分の責任者ではない受託機関やコンサルタントの言い分を、そのまま鵜呑みにするのは問題であろう。彼らが市場の激変に向き合わず、それほどの根拠もなく従来の方法だけに安住しているのなら、それを質し、必要なら議論を主導できるだけの資産配分の専門家になってこそ、初めて受託者責任を全うできる、と言うのは極論に過ぎるだろうか。
(2010年04月28日「ニッセイ年金ストラテジー」)
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