- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- >
- アセットアロケーション >
- 期待される「資産配分の専門家」
しばしば、常務理事など年金基金の管理者は運用の専門家である必要はないとされている。証券売買のプロである運用機関に任せておけば、専門家でなくても受託者責任を果たせると言う。
しかし、年金基金管理の最大の仕事は、運用基本方針、特に政策アセットミックス(資産配分)の決定である。この仕事において慎重な専門家(プルーデント・エキスパート)としての受託者責任を果たすためには、常に従来手法への問題意識を持ち、より優れた理論や手法を取り入れるための準備を怠るべきではない。現に欧米の年金基金には、従来のファイナンス理論や手法を見直して、(1)平均分散法だけでなく、ファットテイルを考慮した資産配分、(2)長期間固定するのではなく、市場の状況に弾力的に対応できる資産配分、を取り入れる動きがある。
もっとも、新しい手法や流行の手法がいつも正しく、成功するとは限らない。だからといって、資産配分の責任者ではない受託機関やコンサルタントの言い分を、そのまま鵜呑みにするのは問題であろう。彼らが市場の激変に向き合わず、それほどの根拠もなく従来の方法だけに安住しているのなら、それを質し、必要なら議論を主導できるだけの資産配分の専門家になってこそ、初めて受託者責任を全うできる、と言うのは極論に過ぎるだろうか。
(2010年04月28日「ニッセイ年金ストラテジー」)
このレポートの関連カテゴリ
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年09月17日
タイの生命保険市場(2023年版) -
2024年09月17日
25年以上言われ続けている「若者の海外離れ」問題-若者の「海外旅行離れ」に関する私論的考察 -
2024年09月17日
ハロウィンジャンボの楽しみ2024-一攫千金のドキドキ感と100万円以上当せんのワクワク感の配分は? -
2024年09月17日
どうなる?中国の不動産市場~三中全会の改革要点からみる不動産市場回復策のねらい~ -
2024年09月17日
ロシアGDP(2024年4-6月期)-減速したものの前年比4%台の高成長
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
【期待される「資産配分の専門家」】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
期待される「資産配分の専門家」のレポート Topへ