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- 米3月雇用者数が3年ぶりの増加幅~失業率は9.7%で横ばい
■見出し
・3月の前月比雇用者数は16.2万人増と3年ぶりの増加幅
・広義の3月失業率が16.9%に上昇、時間当たり賃金が低下するなど懸念材料も
■introduction
米労働省発表の3月雇用統計では、非農業事業部門の雇用者が前月比+16.2万人となり、前月(同▲1.4万人)から増加に転じた。市場予想(同+18.4万人)は下回ったものの、2007年3月(同+23.9万人)以来3年ぶりの増加幅となった(図表1)。過去2ヵ月に遡っての改定も、1月分が+4.0万人、2月分が+2.2万人と計+6.2万人の増加修正となった。雇用増加の要因としては、全般的な景気回復の広がりに加え、2月統計が豪雪の影響を受けたこと、2010年の国勢調査に向けての政府部門における一時的な雇用増、等が挙げられる。
3月の部門別の雇用増減を見ると、民間サービス部門が前月比+8.2万人、生産部門が同+4.1万人、政府部門が同+3.9万人と増加した。生産部門の増加は3年ぶりのこととなるが、内訳を見ると製造業が同+1.7万人、建設業が同+1.5万人、鉱業等が同+0.9万人といずれも増加、特に、建設業の増加は33ヵ月ぶりのこととなる。また、製造業の内訳では、耐久財が同+2.1万人、非耐久財が同▲0.4万人と耐久財中心の回復が続いている。
民間サービス部門では、教育・ヘルスケアが同+4.5万人、レジャー・飲食店等が同+2.2万人と増加する一方、金融では同▲2.1万人と減少した。なお、雇用の先行指標として注目される人材派遣(Employment services)は同+4.3万人と増加した。
政府部門では連邦政府が同+4.8万人と増加した一方、州・地方政府は同▲0.9万人と減少した。連邦政府では国勢調査に伴う一時的な雇用増が4-6月期に本格化すると見られている。
これまでの前月比の雇用者増減数の推移を振り返ると、2009年1月に▲77.9万人と1949年以来の記録的な減少となったが、その後は減少者が縮小傾向を見せ、昨年11月には+6.4万人と一時プラスに転じたあと、一進一退の動きを見せていた。なお、昨年9月金融危機以降の月平均雇用者減は▲37万人で累計では▲699万人、今回リセッション入り後、2008年1月以降の雇用減は累計▲820万人に達している。
一方、家計調査による3月の失業率は9.7%と前月(9.7%)から横ばい、市場予想と一致した。家計調査では3ヵ月連続の雇用増が続いているものの、景気の回復を受けた求職者の増加により失業者も2ヵ月連続で増加しており、当面は高水準の失業率が続くと見られる。なお、失業率は、リセッション入り前の2007年11月は4.7%、金融危機時(2008年9月)は6.2%だったが、1年後の2009年10月には10.1%と1983年6月(10.1%)以来26年ぶりの高水準となった。本年1月には9.7%に低下したものの、その後は横ばいとなり、下げ渋りの動きを続けている。
(2010年04月05日「経済・金融フラッシュ」)
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