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コラム
2009年09月02日
先日、神奈川の県立高校の総合学習の時間に授業を担当させていただく機会があった。これは私が一員として所属しているNPO法人「教育改革2020」(内閣府認可:三宅陸郎代表)のメンバーとなっている様々な業種の実務家・学者などが、大学への進学を目前にした高校3年生に対して、各人の経験・知識や思うところを語り・討議するというものである。
私は、専門としているアジア地域について、中国はじめ各国の経済発展ぶりや日本との結びつきが多方面で増している実情、そういった環境の下で日本や日本人としての対応のあり方などについての話題を提供した。また自らの体験を踏まえて、学習活動は大学で終わりではなく、社会人になってからも興味・関心に応じて大学院などの場でさらに学ぶ機会があることにも言及した。
他の人に教えるという行為が、自らも改めて学ぶ貴重な機会であることは今更言うまでもないが、特に高校生という予備知識や背景となる知識がかなり少ないメンバーに興味を持って参画してもらうには、基本的な事項を出来るだけわかりやすく説明することに加え、日本のアニメ・ゲームのアジア地域での人気ぶり、韓流ブーム、携帯電話・テレビなどをめぐる日本企業とアジアを含む海外企業との競争状況などの具体例を多く含めることを心がけた。その過程で新たな知識を習得したり整理することが出来たのは私にとっても有意義であった。その授業については、初めて聞いたアジアについて興味を持ったとの声をいただき、貴重な時間を担当させていただいた者として一応の責任を果たすことが出来たと安堵している。
この学校での試みのように、将来のわが国を支える若者や子供に、様々な分野で自ら色々な経験した大人が、その知見等を直接に伝える機会を増やすことは大いに有意義であり、教育者と実務家の交流や協力関係がより一層進むことが望ましいと考える。
我々の「教育改革2020」は、「人間力」の育成を大きな狙いとして取り組んでいる。「人間力」とは、自らの頭で、問題意識を持ち、解決法を考え、実行に取り組める力であろう。
近年の経済発展によって益々プレゼンスや発言力を増しているアジアの諸国も含めた世界各国との競争・競合や、それらとの交渉・討議による共生という観点で、わが国が自らのポジションを維持・強化し、国際社会の発展や安定に貢献していくために日本人に必要とされる能力であると考える。それを涵養するには、専門の先生方による教育に加えて、日々の仕事の中で苦労し、工夫を重ねて問題解決に取り組んでいる様々な分野の実務家の経験や知識について当事者の生の声を若者たちに聞いて感じてもらい討議を行い、自らの感想や意見を持つという体験を増やすことが有用であると思う。
私は、専門としているアジア地域について、中国はじめ各国の経済発展ぶりや日本との結びつきが多方面で増している実情、そういった環境の下で日本や日本人としての対応のあり方などについての話題を提供した。また自らの体験を踏まえて、学習活動は大学で終わりではなく、社会人になってからも興味・関心に応じて大学院などの場でさらに学ぶ機会があることにも言及した。
他の人に教えるという行為が、自らも改めて学ぶ貴重な機会であることは今更言うまでもないが、特に高校生という予備知識や背景となる知識がかなり少ないメンバーに興味を持って参画してもらうには、基本的な事項を出来るだけわかりやすく説明することに加え、日本のアニメ・ゲームのアジア地域での人気ぶり、韓流ブーム、携帯電話・テレビなどをめぐる日本企業とアジアを含む海外企業との競争状況などの具体例を多く含めることを心がけた。その過程で新たな知識を習得したり整理することが出来たのは私にとっても有意義であった。その授業については、初めて聞いたアジアについて興味を持ったとの声をいただき、貴重な時間を担当させていただいた者として一応の責任を果たすことが出来たと安堵している。
この学校での試みのように、将来のわが国を支える若者や子供に、様々な分野で自ら色々な経験した大人が、その知見等を直接に伝える機会を増やすことは大いに有意義であり、教育者と実務家の交流や協力関係がより一層進むことが望ましいと考える。
我々の「教育改革2020」は、「人間力」の育成を大きな狙いとして取り組んでいる。「人間力」とは、自らの頭で、問題意識を持ち、解決法を考え、実行に取り組める力であろう。
近年の経済発展によって益々プレゼンスや発言力を増しているアジアの諸国も含めた世界各国との競争・競合や、それらとの交渉・討議による共生という観点で、わが国が自らのポジションを維持・強化し、国際社会の発展や安定に貢献していくために日本人に必要とされる能力であると考える。それを涵養するには、専門の先生方による教育に加えて、日々の仕事の中で苦労し、工夫を重ねて問題解決に取り組んでいる様々な分野の実務家の経験や知識について当事者の生の声を若者たちに聞いて感じてもらい討議を行い、自らの感想や意見を持つという体験を増やすことが有用であると思う。
(2009年09月02日「研究員の眼」)
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