2009年08月21日

米国経済動向~リセッション脱出の可能性を高める展開

土肥原 晋

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<米国経済の動向>
  • 4-6月期のGDP速報値は前期比年率▲1.0%と発表され、1-3月期の同▲6.4%から急速にマイナス幅を縮めた。7月に入ってからの経済指標では、雇用者数の減少幅が前月から大幅に縮小、鉱工業生産でも9ヵ月振りの上昇、等の改善が見られ、7-9月期の成長率は、同2%台への回復予想が大勢となるなど、米国経済は景気後退から脱しつつある。
  • もっとも、鉱工業生産や小売売上高で見られる改善は、政府による7~8月実施の自動車買い替え支援策による影響が大きい。そうした一時的な要因を取り除くと、これまでの雇用減や、住宅価格や株価など資産価格下落の影響を受けた個人消費の回復力の弱さが目立っており、先行きの景気失速への懸念は、依然、払拭できていない。
  • このため、8月FOMCでも、異例の低金利をしばらく続けるとの決定がなされた。ただし、金融市場安定化の動きを受けて、量的緩和策の中心であった国債の買い取りについては、期間延長後の収束方針を打ち出した。今後の金融政策の舵取りは、出口戦略を踏まえた新たな局面を迎えつつある。
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(2009年08月21日「Weekly エコノミスト・レター」)

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