- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 労働市場 >
- 雇用、設備投資の回復に必要な生産の水準
2009年07月24日
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
- 景気はすでに回復局面に入っているが、現時点では裾野の広がりに欠けるものとなっている。たとえば、鉱工業生産指数、生産財出荷指数などの生産関連指標は上昇傾向が鮮明となっている一方、有効求人倍率、投資財出荷指数(除く輸送機械)といった雇用、設備投資関連指標は引き続き悪化している。
- 製造業の雇用、設備投資は生産水準の大幅な低下による影響を強く受けており、生産がある程度の水準まで戻らなければ回復は見込めない。
- 製造業の雇用が回復に転じるためには所定外労働時間が15時間(1ヵ月当たり)を超えることがひとつの目安で、そのためには鉱工業生産が足もとから36%上昇する必要がある。また、製造業の設備稼働率は50%台まで低下しているが、設備投資が回復に転じるためには、稼働率が75%程度まで回復することが条件で、そのためには鉱工業生産が25%上昇する必要がある。
- 7-9月期以降、鉱工業生産が前期比で10%程度の高い伸びを続けたとしても、雇用、設備投資の回復にはそれぞれ3~4四半期、2~3四半期程度かかることになる。
- 民需主導の自律回復には時間がかかるため、経済対策の効果が剥落する2010年初め頃に日本経済は正念場を迎える可能性が高いだろう。
(2009年07月24日「Weekly エコノミスト・レター」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1836
経歴
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
斎藤 太郎のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/05/02 | 雇用関連統計25年3月-失業率、有効求人倍率ともに横ばい圏内の動きが続く | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
2025/04/30 | 2025年1-3月期の実質GDP~前期比▲0.2%(年率▲0.9%)を予測~ | 斎藤 太郎 | Weekly エコノミスト・レター |
2025/04/30 | 鉱工業生産25年3月-1-3月期は4四半期ぶりの減産、トランプ関税の影響で4月以降も低迷が続く見込み | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
2025/04/18 | 消費者物価(全国25年3月)-コアCPI上昇率は25年度入り後も3%台が続く公算 | 斎藤 太郎 | 経済・金融フラッシュ |
新着記事
-
2025年05月02日
金利がある世界での資本コスト -
2025年05月02日
保険型投資商品等の利回りは、良好だったが(~2023 欧州)-4年通算ではインフレ率より低い。(EIOPAの報告書の紹介) -
2025年05月02日
曲線にはどんな種類があって、どう社会に役立っているのか(その11)-螺旋と渦巻の実例- -
2025年05月02日
ネットでの誹謗中傷-ネット上における許されない発言とは? -
2025年05月02日
雇用関連統計25年3月-失業率、有効求人倍率ともに横ばい圏内の動きが続く
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
【雇用、設備投資の回復に必要な生産の水準】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
雇用、設備投資の回復に必要な生産の水準のレポート Topへ