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相対性理論で有名なアルバート・アインシュタインは、プリンストン大学の自分の部屋に「大事なことが全て数えられるわけではないし、数えられることが全て大事なわけではない」という標語を掲げていたという。
昨今、この言葉が再び注目されている。というのも、サブプライム問題の発生源となった住宅ローン証券化商品は、最新の定量的手法によって価格付けされていたからである。その後の金融危機は一見、精緻で正確な価格付けであっても、経済や法律の実態から見てその計算の前提が合理的でなかったことを明らかにした。
年金運用も同じである。資産のリスクやリターンを過去のデータから定量化する方法も、定量的手法を用いて超過リターンを獲得する方法も万能ではない。それらを現在の市場環境に適用する際には定性的・理性的な判断が不可欠である。
ニュートンが万有引力の法則を発見してから、相対性理論の出現までは200年余りかかった。現代ポートフォリオ理論の嚆矢であるマーコヴィッツの平均分散法からはまだ50年しか経っていない。市場の動きを定量的に理解する営為は発展途上なのである。実際の適用にあたっては謙虚にその限界を認めるべきであろう。
(2009年05月01日「ニッセイ年金ストラテジー」)
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