- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- アインシュタインの箴言
相対性理論で有名なアルバート・アインシュタインは、プリンストン大学の自分の部屋に「大事なことが全て数えられるわけではないし、数えられることが全て大事なわけではない」という標語を掲げていたという。
昨今、この言葉が再び注目されている。というのも、サブプライム問題の発生源となった住宅ローン証券化商品は、最新の定量的手法によって価格付けされていたからである。その後の金融危機は一見、精緻で正確な価格付けであっても、経済や法律の実態から見てその計算の前提が合理的でなかったことを明らかにした。
年金運用も同じである。資産のリスクやリターンを過去のデータから定量化する方法も、定量的手法を用いて超過リターンを獲得する方法も万能ではない。それらを現在の市場環境に適用する際には定性的・理性的な判断が不可欠である。
ニュートンが万有引力の法則を発見してから、相対性理論の出現までは200年余りかかった。現代ポートフォリオ理論の嚆矢であるマーコヴィッツの平均分散法からはまだ50年しか経っていない。市場の動きを定量的に理解する営為は発展途上なのである。実際の適用にあたっては謙虚にその限界を認めるべきであろう。
(2009年05月01日「ニッセイ年金ストラテジー」)
このレポートの関連カテゴリ
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2024年10月11日
ふるさと納税の新たな懸念-ワンストップ特例利用増加で浮上する課題 -
2024年10月10日
米国のベンチャー業界におけるジェンダー問題への取り組み -
2024年10月10日
企業物価指数2024年9月~輸入物価は下落したが、国内企業物価は前月から伸び拡大~ -
2024年10月10日
日本の不妊治療動向2022-2022年の総治療周期数は543,630件と、前年より45,490件の増加、治療ピークは42歳で保険適用年齢の制限が影響か- -
2024年10月10日
実効性と成果が問われ始めた企業のサステナビリティ推進-稼ぐ力との両立を目指す「サステナブルマーケティング」とは
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
-
2024年02月19日
News Release
【アインシュタインの箴言】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
アインシュタインの箴言のレポート Topへ