- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- アインシュタインの箴言
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
相対性理論で有名なアルバート・アインシュタインは、プリンストン大学の自分の部屋に「大事なことが全て数えられるわけではないし、数えられることが全て大事なわけではない」という標語を掲げていたという。
昨今、この言葉が再び注目されている。というのも、サブプライム問題の発生源となった住宅ローン証券化商品は、最新の定量的手法によって価格付けされていたからである。その後の金融危機は一見、精緻で正確な価格付けであっても、経済や法律の実態から見てその計算の前提が合理的でなかったことを明らかにした。
年金運用も同じである。資産のリスクやリターンを過去のデータから定量化する方法も、定量的手法を用いて超過リターンを獲得する方法も万能ではない。それらを現在の市場環境に適用する際には定性的・理性的な判断が不可欠である。
ニュートンが万有引力の法則を発見してから、相対性理論の出現までは200年余りかかった。現代ポートフォリオ理論の嚆矢であるマーコヴィッツの平均分散法からはまだ50年しか経っていない。市場の動きを定量的に理解する営為は発展途上なのである。実際の適用にあたっては謙虚にその限界を認めるべきであろう。
(2009年05月01日「ニッセイ年金ストラテジー」)
このレポートの関連カテゴリ
新着記事
-
2025年06月23日
内国歳入法899条項(案)-TACOで終わらなければ、日本にも影響か? -
2025年06月23日
インフレ時代にオフィス市場で普及が進むと期待されるCPI連動条項 -
2025年06月23日
マスク着用のコミュニケーションへの影響(1)-コロナ禍の研究を経て分かっていること/いないこと -
2025年06月20日
トランプ関税をオプションで考える-影響と対応のヒントを探る -
2025年06月20日
英国金融政策(6月MPC公表)-金利据え置きで従来の利下げペースを維持
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
-
2024年11月27日
News Release
【アインシュタインの箴言】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
アインシュタインの箴言のレポート Topへ