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- 米3月ISM指数は小動き~製造業は若干上昇の一方、非製造業では低下
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■見出し
・製造業指数は36.3とやや上昇回復するも、非製造業指数は40.8に低下
・製造業各指数では、新規受注指数の急上昇が注目を集める:各指数の内訳
・非製造業各指数は、全般、低水準にあり、冷え込みの持続を示唆
■introduction
企業のセンチメントを示すISM(米供給管理協会)指数は、3月製造業指数(PMI)が36.3と、前月(35.8)、市場予想値(36.0)を若干上回り、3ヵ月連続の上昇となった。しかし、指数の水準は低く、最近のボトムで、1980年6月(30.3)以来28年ぶりの低水準だった12月(32.9)を3.4ポイント上回るに過ぎない。また、製造業の拡大・縮小の分かれ目とされる50についても、14ヵ月連続で大きく下回った水準にある。発表元のISMでは、PMIが示す経済全体の分かれ目(GDPのゼロ成長)は41.2であり、3月PMI(36.3)は、実質GDPの年率▲1.6%に対応するとしている。
また、2月の非製造業指数(NMI:注)は40.8と2月(41.6)から▲0.8ポイント低下し、市場予想(42.0)を下回った。NMIは9月金融危機以降50を大きく割り込み、50割れは今回を含め6ヵ月連続となる。なお、事業活動指数は44.1と前月(40.2)から3.9ポイント上昇、NMIが雇用指数下落の影響で低下したものの、事業活動指数でみた景況感は改善している。
今年に入ってからのISM指数は、“フリーフォール”の状態を呈した昨年末から落ち着きを取り戻しつつあり、模様眺めの展開を見せている。中でも、製造業指数を構成する中核的な指数である新規受注・生産指数の大幅な持ち直し(12月との比較ではそれぞれ+10.1、+18.1ポイント上昇)は、水準は低いとは言え、12月が指数としては底であった可能性を示唆する動きとして注目される。今後は、受注改善が生産増に繋がるかが注目されるポイントと言えよう。
ただし、製造業、非製造業とも全般的な指数の水準は低く、依然として厳しい状況におかれているのが実体だ。特に、雇用指数は製造業、非製造業とも全体の指数の中で最低水準にあり、12月との比較でも下回るなど、雇用の厳しい冷え込みを示している。
(注:NMI(=Non-Manufacturing Index) は、2008年1月より非製造業指数の総合指数として発表を開始。事業活動、新規受注、雇用、入荷遅延の各指数の均等ウェイトで構成されている。)
(2009年04月06日「経済・金融フラッシュ」)
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