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米国における金融不安を発端に、世界の株価が急落した。日本株のベンチマークであるTOPIXも10月上旬に今年度初来30%超の下落率となった。その後、各国の政府・中央銀行が政策協調し、銀行への資本注入が決まったが、株価下落の実体経済への影響が懸念されるだけに、今後もしばらく乱高下が続く可能性があろう。
わが国の年金基金は、たとえ少量でも株式投資を行っていれば、今年度のリターンがマイナスとなる覚悟も必要となってきた。市場の変動性が高まる中、基金が今後どのような運用方針で臨むべきか悩ましい。
株式のさらなる下落リスクをヘッジするために、株式配分を引き下げたくなっても、相場回復時の出遅れにつながるため、なかなか実行しづらい。積立比率の低下で基金のリスク許容度が下がったり、資産配分の前提である株式のリスクや期待リターンの構造変化が確認されるまでの間は、株価下落に右往左往せず冷静に、長期投資を想定した基本ポートフォリオを維持すべきではないだろうか。
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