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- 毎月勤労統計08年6月~実質賃金の減少幅が急拡大
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■見出し
・現金給与総額は6ヵ月ぶりの減少
・雇用の伸びは鈍化傾向が続く
■introduction
厚生労働省が7月31日に公表した毎月勤労統計によると、6月の現金給与総額(一人当たり)は前年比▲0.6%と6ヵ月ぶりの減少となった。内訳を見ると、所定内給与は5月の前年比0.6%から同0.0%へと急速に鈍化し、所定外給与は前年比0.1%(5月:同▲0.1%)のほぼ横ばいとなった。夏季賞与にあたる特別給与は前年比▲1.5%となり、6月の現金給与総額減少の主因となった。
すでに公表されている夏季賞与に関するアンケート調査では、日本経済新聞社調査が前年比▲0.3%、日本経団連調査が前年比▲0.4%の小幅減少という結果となっていた。これらの調査は大企業を中心としたものであるため、収益環境がより厳しい中小企業まで含めた全規模ベースの夏季賞与の結果はさらに厳しいものとなることが見込まれる。中小企業が多く含まれる毎月勤労統計の夏季賞与に関する最終結果は、6~8月までの「特別給与」のうち賞与として支給されたものを特別集計したものが11/4に公表される予定となっているが、昨年(前年比▲1.1%)以上の落ち込み幅となる可能性が高いだろう。
名目賃金の伸びが低下したことに加え、消費者物価(持家の帰属家賃を除く総合ベース)が前年比2.3%の高い伸びとなったことで、実質賃金上昇率(定期給与ベース)は5月の前年比▲1.0%から同▲2.3%へと減少幅が急拡大した。
「家計調査」の実質消費支出が4ヵ月連続で前年割れとなるなど、個人消費は低調な動きが続いているが、物価上昇率は7月以降さらに高まることが見込まれるため、実質購買力の低下による個人消費の下押し圧力はより一層強まる可能性が高い。
(2008年07月31日「経済・金融フラッシュ」)
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03-3512-1836
- ・ 1992年:日本生命保険相互会社
・ 1996年:ニッセイ基礎研究所へ
・ 2019年8月より現職
・ 2010年 拓殖大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2012年~ 神奈川大学非常勤講師(日本経済論)
・ 2018年~ 統計委員会専門委員
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