- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 経済 >
- 欧州経済 >
- 3月BOE金融政策委員会~追加利下げは見送り
文字サイズ
- 小
- 中
- 大
■見出し
・政策金利据え置きは2月「インフレ報告」と整合的な判断
・4月様子見、5月追加利下げが濃厚
■introduction
3月5日、6日に開催されたイングランド銀行(以下、BOE)の金融政策委員会(MPC)は政策金利を5.25%で据え置いた。
先月(2月)のMPCは、ハト派のブランチフラワー委員が50bp、その他の8名の委員が25bpの利下げ票を投じ、12月に続く25bpの利下げを決めた。議論の叩き台となった2月の「インフレ報告」における「成長率の見通しの下方修正と中期的な物価の安定の維持」という見通しに沿ったものであった(図表1、図表2)。
今月の連続利下げの見送りも、インフレ報告の内容と整合的な判断である。同報告のポイントは、(1)エネルギー価格の上振れ、食品やポンド安による輸入物価の上昇による短期的な物価の上振れ幅は、前回11月号での見通し以上に大きくなるとしたこと、(2)「インフレ期待の今後の動きの不確実さ」を「信用状況のタイト化の度合い」とともに主要な政策課題としたこと、(3)市場予測(年内75bp)を前提とした場合、中期的な物価の収束点は目標の2%を上回るという見通しとなっていることだ。これらは、いずれも過度の利下げ期待を牽制するものであり、連続利下げの見送りを示唆するものであった。
(2008年03月07日「経済・金融フラッシュ」)
このレポートの関連カテゴリ

03-3512-1832
- ・ 1987年 日本興業銀行入行
・ 2001年 ニッセイ基礎研究所入社
・ 2023年7月から現職
・ 2015~2024年度 早稲田大学商学学術院非常勤講師
・ 2017年度~ 日本EU学会理事
・ 2017~2024年度 日本経済団体連合会21世紀政策研究所研究委員
・ 2020~2022年度 日本国際フォーラム「米中覇権競争とインド太平洋地経学」、
「欧州政策パネル」メンバー
・ 2022~2024年度 Discuss Japan編集委員
・ 2022年5月~ ジェトロ情報媒体に対する外部評価委員会委員
・ 2023年11月~ 経済産業省 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 委員
・ 2024年10月~ 雑誌『外交』編集委員
・ 2025年5月~ 経団連総合政策研究所特任研究主幹
伊藤 さゆりのレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/06/12 | 欧州経済見通し-回復基調だが、関税を巡る不確実性は大きい | 伊藤 さゆり | Weekly エコノミスト・レター |
2025/05/13 | 一番乗りの米英合意をどう読み解くか? | 伊藤 さゆり | 研究員の眼 |
2025/04/18 | トランプ関税へのアプローチ-日EUの相違点・共通点 | 伊藤 さゆり | Weekly エコノミスト・レター |
2025/03/28 | トランプ2.0でEUは変わるか? | 伊藤 さゆり | 研究員の眼 |
新着記事
-
2025年07月09日
バランスシート調整の日中比較(後編)-不良債権処理で後手に回った日本と先手を打ってきた中国 -
2025年07月09日
貸出・マネタリー統計(25年6月)~銀行貸出の伸びが回復、マネタリーベースは前年割れが定着 -
2025年07月09日
景気ウォッチャー調査2025年6月~気温上昇で夏物商材の売れ行きが好調、現状判断DIは2ヵ月連続の上昇~ -
2025年07月09日
「専業主婦世帯」理想は、若年男女の5%未満 【脱・中高年民主主義】大人気就職エリア、東京在勤若者の理想のライフコースとは? -
2025年07月09日
低所得の妻に「所得補償」を続けるのか、「生活再建」を促すのか~通常国会で法改正された「年収の壁」と「遺族年金」から考える~
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2025年07月01日
News Release
-
2025年06月06日
News Release
-
2025年04月02日
News Release
【3月BOE金融政策委員会~追加利下げは見送り】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
3月BOE金融政策委員会~追加利下げは見送りのレポート Topへ